■ Black Magic custom-hi の製作 その2



■ポッド

成形型の作成。ポッドのイラストを起こし、バルサブロックに貼り付けて削り出しの準備。 型から抜き易くする為に、型は3分割にしました。

3分割したバルサを両面テープでくっ付けて、糸鋸でX軸、Y軸方向の粗カット。

サンディングで上下左右を整えて基準面を出します。目印になるように適当な色で着色。

基準面を残すようにしながら、左右対称になるように注意しながら角を落としていきます。

(なすびのようですね。)

サンドペーパーでスムースに仕上げて、サーフェイサーを吹き付けて仕上げ完了。

(途中の写真はありません)

前作機のパイプの切れ端がありましたので、指輪のように輪切りにして型のお尻に瞬間で接着しました。これでパイプぴったりの型が出来ます。

PODは2.4Ghz仕様です。1.7ozアラミド+100g/m2ガラスクロス2枚重ねの計3重構造。型にPVAを塗ったあと、スプレー77でクロスを巻きつけます。

樹脂を塗り、ラップ(ポリエチレン製)で包んだあと、ビニールテープで締め付けて養生。

フードセーバーでバキュームしてみたのですが、クロスの巻き方が悪かったか、クロスにシワが浮いていましたので、あわててバッグから取り出してこの方法をとりました。

余談ですが、このビニールテープ10年以上前のものです。ビニールテープを使う機会がめっきり減ってしまいました。こんなに大量に使ったのは久しぶりです。

半硬化時点で取り出して、キャノピーを切り出します。(半硬化時点だとカッターでサクっと切れます)

それから、硬化後に型を抜く為に「背割」を入れておきます。

3分割にしたので離型はスムーズにいく・・と思いきや先端のブロックが外れません。

結局、型にドリルで穴を開けて棒を突っ込んで外すことに・・・ポッド先端のPVAが剥がれて樹脂がくっついていました(ノ_-。)

結局、3分割は杞憂に終わった様でその必要はなさそうでした。

ブームにセットしてみました。ちょっと大きかったか・・・いや、前作とほぼ同等なのですが、ブームの部分で絞り込んだフォルムになっているので大きく感じるようです。

でも、気に入らないので、作り直すことにします。

好んでそうしているわけでは無いのですが、何個も作るのがパターンになってしまいました。

POD2個目

やり直しです。

3分割していた成形型を接着し一体にします。穴があいた部分をスクラップバルサで埋めて現状復帰。全体に「一回り小さく」削ります。

(ちょっと削りすぎたか?の感がありますが、続行することに)

POD 1個目同様、サンドペーパーでスムースに仕上げて、サーフェイサーを吹き付けて仕上げ完了。

今度はフードシーラーでバキュームしてみることにします。

短冊状に切ったクリアファイル4枚を予めケースのようにして準備しておきます。

バキューム時にクリアファイルがうまく巻き込まれる(エッジが引っ掛からないように)重ねを作っておきます。

バキューム中。クリアファイルがうまく局面に馴染んでいます。

(先端部分は?です)

半硬化時点でバッグから取り出し、蓋のカットと、離型用のカットを入れます。

クリアファイルでバギングしたので表面はきれいに仕上がりました。クリアファイルの継ぎ目部分は厚み分段差が出来ていますのでサンディングが必要ですが、全体にスムーズに仕上がっていますのでサンディングは容易そうです。

先端部分はクリアファイルが3次元曲面に沿いきらず、ボコボコになってしまいました。あとで修正することににします。

通称「セミの脱皮方式」で離型させます。小さすぎたのではないかと心配していましたが、ちょうど良いサイズになりました。

体重測定:13.6g。

予定重量より軽くできましたが、後で補強を加えるつもりなのであと1〜2gは重くなるでしょう。

■主翼の加工

主翼接合の準備です。

翼端にかいものをして持ち上げます。正確に直角の出た木材にサンドペーパーを貼り付けたものを準備し、中央部を削ります。翼をネガティブコアにのせてやることで削り易くなります。

ネガティブコアに載せたまま翼端を持ち上げます。ネガティブコアの厚み分、全面がかさ上げされますので翼端の持ち上げ寸法はちょうど上半角分だけでOKです。

上半角は:翼端を90ミリ持ち上げていますので結果的に6.8度位。

主翼を接合してしまうと、ヒンジカットがやりにくくなります。かといって、先にカットしてしまうと、接合時に左右の捻れを確認しにくくなります。

なのでこの段階でカッターを入れましたが、後縁はくっついたままにしてあります。

今回はパイロンを立てるつもりなのでバルサでハードポイントを作りました。接合時にエポキシで固めます。穴がルーズな部分がありますのでカーボン繊維を刻んでエポキシ樹脂に混入しました。

ネガティブコアでベッドを作り、翼端を必要な高さ(90ミリ)持ち上げておきます。

30分硬化型エポキシ接着剤を付け、ハードポイントを挿入した後、裏面の接合部をセロテープで止めて口が開かないようにしておきます。

樹脂が半硬化の内に左右に捻れがないかチェックを入れて、硬化を待ちます。

裏面 接合部を92gカーボンで補強。

エルロン部分は避けて貼りました。

上から、フィルムを載せてスポンジをかませて圧締してます。

エポキシ硬化後の写真。

圧締方法が悪く、浮きが出来たので爪楊枝を入れてホジホジしていると、剥がれが広がりました。で、指でつまんで引っ張るとパリッと剥がれてしましました。なんてこった( ̄▽ ̄;)!!ガーン

サンドペーパーで表面を荒らすのを怠っていました。今回は洗剤で洗ったので密着が良くなっただろうと鷹をくくっていましたが、手抜きはダメですね。

被接着部分をサンドペーパーで荒らしてやり直すことにします。

主翼が接合できたところで、エルロンのヒンジカットの仕上げ。Black Magicで採用されているコの字カット。

予めカッターを入れてありますので、カッターの背でていねいに剥がしていきます。

説明が前後しますが、ヒンジカットにはクロス職人用0.2ミリ超薄刃を使用するととてもスムーズにカットできます。

■主翼台座

製作着手前は、相変わらず、主翼を脱着式にするか接着するか悩んでいましたが、ヘビーな主翼ができた時点で接着方式に決定。

今回はパイロン方式に!と考えを巡らせていましたが、強度の不安もあるので台座と併用することに。台座は主翼揚力を最大限発揮させるよう、なるべく細く・・と重いながらも強度に不安があるので巾は12ミリにしました。

ブームにペーパーをあててブームに沿うように削ります。上面も主翼翼型の下面にぴったり合うように削ります。

重量は約1.5g。

ポッドとブームを接着し、台座を取付けます。

3ミリのカーボンロッドを固定ピンとして挿入します。

主翼に3ミリの穴を開けます。最初に1ミリのドリルで慎重に真直ぐな穴を開け、3ミリの木工用ドリルで3ミリの穴を開けます。

木工用ドリルは先端に細径のポイントが付いていますので、先に明けたガイド穴に従って穴あけが出来ます。

穴明け後、瞬間接着剤を流し込んで穴まわりのバルサを固めておきます。

主翼を台座にセットして主翼に明けた穴をガイドにして台座に向かって穴を開けます。

最初に前縁の穴を開け、ピンを立てて仮止めし、翼の直角を出した上で後縁の穴を開けます。

台座に穴が開きました。穴はパイプの上だけを貫通させ、下までは貫通させないことにしました。パイプの強度低下を防ぐ為です。

後でカーボンクロスを巻きますので貫通させても大丈夫のような気もしますが、大事をとりました。

台座の上面は主翼の上反角に合わせてV型にカットしています。

主翼の迎え角を適当にやっていたのですが、よく眺めてみるとどうも迎え角が足らないようなので台座にバルサを足して調整するハメになりました。(主翼の迎え角はいつも不安でいっぱいです)

でも、災い転じて・・・後から足す2ミリバルサでフィレットを構成することにしました。

実は、フィレットをどうつくるか悩んでいたのです。後からパテを用いると、重くなるし、塗装が大変だし・・ちょうど良かったです。

ポッドの補強。

最終的の塗装しますので色違いは気にせずにカーボン補強。

離型の為に入れたカット部分に増し貼りします。

パイプはポッドに75ミリオーバーラップさせています。ランチ時にポッド部にかかる遠心力に対する補強として、パイプを出来るだけオーバーラップさせるようにしました。

このあとパイプとポッドの間にバルサを挿入します。これでポッド部の強度は十二分です。

この時点で胴体重量32.1g。かなり軽くあがっています。

これなら、210g位で仕上がりそうです。\(^_^)/

ポッドはラッカーパテで表面調整。若干の重量増加が見込まれますが、ノーズが少々重くなるのは良しとします。

塗装後写真。

ブラックにすると、重いイメージになるのでダークグレーとブラックのグラデーション塗装しました。我ながら結構いけてます。

量っていませんが、パテによる調整と、重ね塗りで2〜3g重くなった気がします。若干・・と思って気を緩めていました。

台座前縁側。写真は塗装後。塗装していない部分はあとでカーボンを貼ります。

台座の先端部は船の船首のような形に整形しました。

これなら空気抵抗が減るでしょう。

3ミリのカーボンピンは台座に接着してあります。

台座後縁側。

ヒンジラインより後ろは主翼を取り付けるとホーンで隠れてしますので先に塗装しておきます。

台座の平面型は船のようなフォルムにして、空気抵抗を抑えようという考えです。

エルロンリンケージ用の穴は主翼取付け前にあけておきます。

いよいよ主翼を取付けします。台座と主翼の摺り合わせが完全ではないのでカーボンロービングを噛ませて接着。

摺り合わせが完全ではない部分もブリッジになってくれます。

主翼を固定するカーボンを貼ります。逆R形状ですので難しい工作となります。EPPと塩ビ板で押さえ治具を作りました。


樹脂を塗ったカーボンに離型フィルム(100均のA4クリアポケット)を被せたあとスポンジをかまして治具をクリップで挟んで養生しました。

いつもは樹脂を塗ったあとにどうしたらうまく養生できるか考えるのですが、今回のように周到にアイデアを練ることが重要ですね。

いろいろと思案した甲斐があってとてもきれいに貼れました。

※ クリアポケットは表裏で離型性が異なりますので事前にチェックしましょう。

■尾翼の取付け&リンケージ

まず、水平尾翼の取付け位置を決めます。

今回は各パーツをテープ止めして重心が合うように現物合わせ。ノーズにウエイトを積まずに済む様に調整します。

水平尾翼の位置は前作より25ミリ程度前へ。尾翼容積が若干減少することとなります。軽量化を取るべきか尾翼容積を取るべきか・・・今回は軽量化を取ることにします。

エレベーターリンケージは内径0.5ミリ外径1.0ミリのマイクロカーボンパイプを内装します。

水平尾翼の取付け位置にマイクロカーボンパイプを取り出します。

取り出したマイクロカーボンパイプを必要な長さにカットして、先端に内径1.2ミリのPPパイプを被せます。

マイクロカーボンパイプの端部は無理な力が加わると簡単に割れてしまいますのでこうして保護しておきます。

台座の取り付け。台座の平面型は翼型にして空気抵抗を減らします。

また、高さを最小限にしています。(エレベーターが10ミリ下がる分だけ)台座により尾翼が持ち上がっている分だけランチ時にブームが振られますのでこれを防ぐ為です。

前回は接着部のパイプの表面をペーパーで荒らしていなかったので接着が衝撃で外れてしまいました。今回はちゃんと荒して接着します。

リンケージワイヤー

にはダダリオギター弦PL-016を使用。

水平尾翼ホーンには0.5ミリFRP板を使用しています。

垂直尾翼は尾翼とパイプを相欠きにします。

垂直尾翼も水平尾翼と同じマイクロカーボンパイプを内装します。

ホーンの穴からマイクロカーボンパイプの取出し穴までの距離が長くなりすぎました。ランチ時にラダーが振られるのを防ぐ為にカーボン板でスロープをつくりました。

マイクロカーボンパイプ端部の割れ止めとしてシュリンクチューブで保護しています。

■エルロンリンケージ

主翼ホーンの取り付け。

パイプに沿うように内傾させます。

エルロンリンケージには内径0.7ミリ外径1.5ミリのカーボンパイプと0.6ミリのピアノ線を使用。パイプ内でクロスさせます。

■ペグ

ペグの製作

材料は1ミリ航空ベニア、2ミリバルサ、1ミリバルサです。

製作順は
1)材料を切り出し、1ミリ航空ベニアに2ミリバルサを貼る
2)カーボンロッドの納まる溝を掘る
3)カーボンロッド を接着する
4)1ミリバルサを被せる
5)整形する

です。

写真は上記の工程が終わった状態。

2ミリカーボンロッドx2本で折れてしまった事例を耳にしましたので、強化策の検討。今回はパワーランチにも耐える仕様として、2.5ミリカーボンロッドを2ミリ厚に削って使用。

これなら、どんなパワーランチでもカーボンロッドが折れることはないでしょう。

イエローに着色して主翼に取り付け。

ペグの付け根には大きな力が加わるので、カーボンロービングを添えてエポキシでフィレット状にします。

恥ずかしながら最近知ったのですが、ペグは翼面に垂直に立てるのではなく、水平面に垂直・・つまり垂直尾翼と平行に立てます。

■メカ

サーボベッドをうっかりカーボン補強してしましました。

今回は2.4G仕様ですのでグラス貼りで作り直し。

(同じパーツを何個も作るパターンから脱却できません)

サーボを付ける前にポッドの補強。

ポッドを塗装仕上げにしましたが、良く考えると壊れると補修が大変なことに気が付きました・・・遅い。

ポッドでクラックが入り易いのは開口部の角の部分。アラミドで補強を行いました。

サーボは定番のD47(TamazoTS-1002)

最近はR/C HOBBYさんよりOME品が安く購入できますのでR/C HOBBYさんより購入

中央部はツバの部分を重ねてコンパクト化。わずかながらも重心調整に役立ちます。

リンケージ完了

エレベーターだけは赤(ハイスピードタイプ)を使用。

■完成

主翼が重量オーバーとなった時点で、どうなることかと思っていましたがその他の部分がうまくできたので210g(バッテリー込み)で仕上げることができました。

途中でも記載しましたが重心調整の為に尾翼容積が若干減少している点が若干気になります。軽量化を取るべきだったか尾翼容積を取るべきだったかは飛ばして確認です。(今さらどうにもなりませんけど・・)


最終的に出来上がった重量をまとめてみました。(一部予想を含む)

機体
メカ
主翼
111g
サーボ+サーボベッド
21g
尾翼+台座
12g+1g
受信機
8g
ブーム
15g
バッテリー
10g
ポッド+パイロン
17g+3g
リンケージ
9g
ペグ
2g
接着剤など
1g
小計
160g
小計
50g
合計
210g

結果的に当初計画した重量になりませんでしたが、その後 従来の機体を飛ばしている際、

強風の中ではバラストをを搭載した方が飛ばし易いという経験をし、

製作開始時点での「軽い程性能が良いだろう」という考えは改めることとなりました。

とは言いながら、今回の機体は一般からすると軽い機体に分類されると思いますので

今後のフライトでいろいろと確認していきたいと思います。
 

 
Black Magic custom-hi の製作 その1へ