主翼コアカット その1




■主翼コア 半自動カッター
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2004年に主翼コアカッターを製作してから、6年が経過しました。正確な翼型を表現する為にO工房さんでCNCカット をお願いしてきましたが、再び自分でコアカットがしてみたくなりました。
 

■2004年当時のカッター

2004年に製作したカッター
1)弓
2)台
3)テーパー翼を作る為の差動アーム
4)12V電源
で構成します。

脚のない台を製作し、ベンチの上において使用していました。

2004年に製作した弓
腕:20x10、ベース:40x10の木材を使用。
左の腕は木ねじ固定、右の腕はバカ穴にボルトを通してバネの力でステンレス線がピンとはるようにします。
発熱線はステンレス線(0.28mm)を使用。
弓の下にはキャスターをつけます。

テーパー翼を作る為の差動アーム。
当時「きむらクラフト」さんのアイデアをほぼそのまま使わせて頂きました。

弓につないだ糸をアーム(木材)にクリップで止め、アーム(木材)の自重で弓を引き寄せます。

電源は車バッテリー用充電器。

電圧・電流調整機能はないので繋ぐだけ。使用電流:1A強

■カッター台のリニューアル

以前(5年前位)に不要となったマグネット製図台を引き取ったまま納戸に置き放しにしているのを思い出しました。表面全面がマグネットシートになっており、専用金属プレートで図面を押さえることができる構造になっています。

サイズはA1サイズ(600x900)でコアカットにはちょうどいいサイズです。

製図板の上にはスライド式平行定規がセットされています。この製図板は脚がついていないので、いつも使用している作業台の上に載せて使う事にします。

スライド式平行定規を取り外し、2004年に製作したカッター台のパーツを移植します。

マグネット製図台と言いながら、磁力はあまり強くないので100均のマグネットを買ってきて載せて見ました。任意の位置にガッチリとくっつきますヾ(´ρ`)ノ゛これなら、ガイドやテンプレートを簡単にセットできそうです。

マグネット製図版の代わりに、マグネットシートや鋼板を貼る事で代用できそうです。この際注意すべき点は極力、マグネットシートや鋼板はなるべく全面に貼り付けてください。弓のコマが走る部分に少しでも段差があるとコアカット時に段差ができます。やむを得ず継ぎ足す場合はコマが走る部分を外してください。

 

弓を引く糸を掛けるプーリー部分のディテール。プーリーは建具の戸車を分解して流用しました。

作業中に外れ易いのでヒートンを付けました。

弓を引くプーリーその2。

蝶ナットを用いて任意の位置で固定できるようにしています(蝶ナットとプーリーは細長い金属プレートに取り付けてあり、カーテンレールの中をスライドできるようにしてあります。金属プレートはエンジン機のエンジンマウントを使用しました)

差動アームも以前のカッター台のものをそのまま移植しました。

差動アームはこのような動きをします。

弓の先端に結び付けた釣り糸をプーリーを介して差動アームに止めつけます。

黒いクリップは釣り糸の固定用。通常の目玉クリップでは締付け力が足りませんので強力クリップを使用。先端のオレンジのクランプは重り代わりです。

■コアカット時の注意点

写真のようにセットして、いよいよ本番です。

【注意点1:テンプレートの形状】

テンプレートはこのような形状で作成しましたが、この形ではうまくいきません。

水平部から翼型に入る際に、テンプレートの形状に沿って動いてくれません。

写真のように、水平部から翼型に入る部分にR(カーブ)をつけて熱線が走りやすいようにしました。

上のテンプレートは瞬間接着剤を盛ることで形成しました。

【注意点2:熱線の位置】

キレイにカットできたと思って良く見ると、下面が部分的に水平になっていました。

原因はテンプレートの高さより電熱線の最下位の高さの方が高かったのが原因。

写真は弓の先端の様子:上が良くない状態、下が改善後。

・弓の先端が浮いている→テーブルに軽く触れるくらいまで重りを載せました。
・電熱線の位置が高い→電熱線を巻きつけている木ネジの下を回すようにしました。

【注意点3:テンプレートのすべり】

テンプレートの滑りが悪いとこのような事も起こります。

テンプレートは1回毎に滑りを確認し、微妙な凹凸がある場合は都度サンドペーパーで平滑にしてやります。

写真は失敗例。

まくいったカットの写真

カットは下面から行います。前縁部分と一番低いあたりが難所となります。

上面のテンプレートは浮きあがらないようにマチ針を1本差しました。上面のカットでは、前縁部分が難所となります。

テンプレートが上下にオフセットしているので、写真のようにカットラインがクロスします。

カット中の様子。注意点は

・弓の先には重りを載せて下向きのテンションがかかるようにします。
・電熱線の張力を増す為にバネを引っ掛けるビス位置を遠くに打ち変えました。
・12Vを供給する線は引っ掛からないように弓にタイバンドなどで固定します。

晴れてコアカット完了!

めでたし めでたし ・・・ でも大変でした A=´、`=)ゞ

■弓のバージョンアップ (2011)




きれいにカットする為には、熱線にできるだけテンションをかけることが有効です。
その為に、しっかりとした弓に作り直すことにしました。

弓の腕を金属製に・・・手元にあった、12ミリ角のステンレス棒を使用することにしました。

固定腕は4ミリビス×2本で固定。裏側にコマを取付けてい。
可動側は6ミリボルト。バネでテンションをかける構造です。

 

写真上)NG
バネの力が加わる部分が偏芯しているので、テンションを強くかけると弓がゆがんでしまいました。

写真下)OK
軸のセンターに力がかかるようにするとゆがみが無くなりました。

かなりのテンションをかけても大丈夫です。

 

熱線は2本の3ミリ皿ビスに巻きつけて固定。下の写真は裏から見たところ。熱線は常盤面ぎりぎりの低い位置につけるのがポイント。赤いのは重りです。

カット中にコードが引っ掛かって止まってしまう失敗もありがちです。

熱線への電源供給コード圧着端子で固定。コードはタイバンドなどで固定して引っ掛かりにくくしておきます。

■テンプレートの固定 (2011)

テンプレートは熱線によってずれたり持ち上がったりしますので横着をせずにピンで止めます。

ただ、この役割を果たすだけならピンの差込みは5ミリもあれば十分です。