■真空管アンプ


今では「アンプ」という言葉さえ聞かなくなりました。今から約20年前の作品です。

 

言葉でうまく言い表せないのですが、真空管にはその形といい、構造といい、えもいわれぬ美しさを感じます。小学生時代(1970年代)、すでに殆どの電気製品がトランジスタに世代交代をしていましたが、テレビは真空管で動いていたように記憶しています。興味を持ち始めたのは高校生になってからなのですが、たまに廃品として出されるテレビやラジオから真空管をもぎ取って集めていました。

左の写真は「真空管ハンドブック」です。高校生のとき、この本をたよりに真空管アンプを製作しました。・・・真空管の工作はこれが最初で最後です・・・

当時、お金はありませんでしたからトランスやチョークコイルなどの主要部品は全て中古品、ジャンク屋さんで調達しました。真空管は愛嬌のある形をした「ST管」と呼ばれるタイプです。型番は「6ZDH3A」と「42」で、ラジオからもぎとったものです。

ケースはアルミの汎用シャーシにスプレーで着色、インスタントレタリングで文字入れし、透明のカッティングシートで仕上げてあります。

真空管は「ヒーター」で熱を加える構造になっています。写真で赤くひかっているのがヒーターです。このほのかな明かりが何ともいえないんです。

スイッチを入れてから、音がでるまでに(ヒーターが温まるまでに)少し時間がかかります。そういえば、スイッチを入れることを「火を入れる」などといっていました。

ケース裏面の配線です。真空管の場合、「基板」というものが要らなかったんですねー。

ちなみにこれと同じ機能のアンプをトランジスタでつくれば1/100位の大きさで十分でしょう。さらに現在の技術では1/1000、いやもっと小さくて済むでしょう。