飛行機を飛ばすのは簡単そうですが、実際には様々な知識、ノウハウが必要です。それゆえ、思い通りに飛んだときの喜びは格別なもので、大人たちを夢中にさせるな魅力があります。これらは世界的な広がりを持っており、競技会や検定はもちろんのこと、世界選手権まであります。(ちょっとマニアックな世界で、一般の方にはとっつきにくい世界となってしまっていすが・・・)
ラジコン飛行機の魅力は、「実機では自分の姿を見ることはできないが、ラジコン飛行機はコントロールして飛んでいる自分を観察することができる」と、ラジコン飛行機の草分け:松井勲 氏の著書に書かれていますが、アメリカでは実機でアクロ飛行をしている人たちでもラジコン飛行機を飛ばしている人が多いそうです。
さて、ラジコン飛行機の世界を簡単に紹介したいと思います。まずラジコン飛行機には大きくわけて2つのカテゴリーがあります。
●トイラジコンとホビーラジコン
|
トイラジコンはおもちゃ屋さんルートで販売されているおもちゃのラジコンです。おもちゃの延長なので「簡易」で「安価」なのがポイント。
1)操作が簡単:通常、2チャンネル(掲示板のことではありませんよ!)でコントロールします。2チャンネルとは2系統ということで、上下と左右の2系統をコントロールします。簡単な分、旋回飛行が限界で、アクロバット的な飛行はできません。
2)お手軽な反面、サービスパーツやオプションパーツが供給されるケースが少なく、使い捨て感覚となります。
←室内用トラジコン「エアロソアラ」。赤外線でコントロールしますのでアンテナはありません。
|
ホビーラジコンはラジコン店ルートで販売されます。
1)実際の飛行機と同じコントロール方法:4チャンネル=4系統でコントロールします。少し複雑になりますが、高度なコントロールにより、よりリアルで安定した飛行や過激なアクロバットまで可能です。
2)各パーツが規格化されており、互換性が高い。また、各パーツはビギナー用から競技用まで幅広くラインナップされていて選択肢が広い。 |
昨今は、技術の進歩と、中国や台湾をはじめとする安い労働力で、とても安価なホビーラジコンパーツや完成機が市場に流通するようになりました。また、材質の工夫による「壊れない」ラジコン飛行機も登場していますので以前と比べると入門しやすくなったと思います。
●ラジコン電波について
ラジコン飛行にとって「電波」は命綱です。特にホビーラジコンでは万が一ではありますが人身事故の危険性がありますのでこの「電波」の扱いを誤ると不幸な事故にもつながりかねません。
|
かつてはラジコン用電波として割り当てられたFM波を使用していました。
27MHz帯 12バンド(地上・水上用)
40MHz帯 8バンド(地上・水上用)/5バンド(空中用)
72MHz帯 10バンド(空中用)
財団法人 日本ラジコン電波安全協会がその管理をおこなっています。
←送信機(飛行機用、72MHz)
|
今では見かけなくなりましたが、昔は「私はこの周波数を使っています」 ということを周囲に知らせる為の「バンドリボン」アンテナに付けていました。
※FM波を使用したコントロールシステムは使用する周波数がかぶると、混信し、ノーコンになって墜落してしまします。
|
|
|
無線LAN やデジタルコードレス電話で使用されている2.4ギガヘルツ 波の使用がラジコンでも認められるようになりました。
最初に”バインド”という操作をすることで、送信機の持つIDを受信機が認識した上でペアリングされ、他の送信機の信号は受付けません。
便利な世の中になったものです。現在は殆どの方がこのシステムを使用されています。
|
●ラジコン飛行機のいろいろ(ホビーラジコン)
ラジコン飛行機には大きく分けて、エンジン機・電動機・グライダーの3種類があります。
|
エンジン機のエンジンには強力なパワーがあり、実機ではありえない(実機では肉体的にパイロットがGに耐えられない)程過激なアクロバット飛行も可能です。また、わずかこぶし大程度のエンジンが動く(車やバイクのエンジンと同じ構造をしていて回転力を生み出している)こと自体も楽しみと言えます。
←4サイクルエンジン
|
ただ、エンジンはそのパワーゆえに危険を伴うこと、必然的に機体が大きくなり、広い飛行エリアが必要なこと、そして騒音が大きいことが欠点となります。昔は街中の河川敷などでも飛ばしていましたが、最近では住民の方の苦情などもあり街中でのフライトはできません。郊外の模型飛行場(ラジコンクラブなどで管理)でのフライトが主流になってきています。
ラジコン飛行機には、本物に近い「スケール機」と、アクロバット飛行特性を追求した「スタント機」があります。写真はスタント機 全長:1360ミリ、全幅1465ミリ
→
|
|
|
電動機は、手軽な点がメリットですが、かつては非力な点がネックで、これをカバーするために機体が小型軽量となって、機体が軽いと、風にあおられやすく、初心者にとっては難しい条件となっていました。しかしながら、昨今、モーター、電池、メカが画期的に進歩し、エンジン機におとらない飛行が可能となりました。
←高性能モーター
AXI ブラシレスモーター(チェコスロバキア製)
|
モーターの高性能化に加え、高性能電池:リチウムポリマーバッテリーの普及に伴い、画期的に飛行性能が向上しました。現在は、クリーンで静かな電動機が急速に普及しつつあります。
ナイフエッジ飛行→
|
|
|
グライダーは自然に発生する上昇気流など自然の力を利用して飛ばします。初期高度をとる為にショックコードを用いるピュアグライダー、電動モーターを用いて上昇させるモーターグライダーなどがあります。
←モーターグライダー
ヨシオカ1/100(ワンハンドレッド) A11
|
昨今、メカやバッテリーの小型化により手投げグライダー(HLG:ハンドランチグライダー)の性能が進歩しました。さらに翼端投げ(SAL:サイドアームランチ)の発見?により獲得高度が飛躍的に伸び、HLGの新たな時代が切り開かれたといえます。グライダーは、動力を持つ飛行機と比べて「ゆったり」とした飛行をしましますので入門機としてもお薦めできます。
SAL:サイドアームランチ グライダー(自作)→
|
|
●ラジコン飛行機を始めるにあたって
通販などで販売されている入門用飛行機をはじめとし、ラジコン飛行機ををいきなり飛ばそうとしても、そう簡単に飛ばせるものではありません。残酷なですが、十中八九、墜落して大破すると思います。飛行機は空を飛んでいますので、「ちょっとまった」がききません。ミス=墜落を意味します。墜落の衝撃は予想以上のもので、上空から墜落すれば殆どの場合大破します※。ラジコン飛行機の操縦には飛行理論を頭にいれた上で、トレーニングを行うことが必要です。
※昨今は壊れない素材:EPPという素材でできた飛行機の発明?により墜落のダメージが少ない飛行が可能となりました。
シュミレーターは実際のラジコン用送信機をパソコンに接続して練習します。墜落しても機体が壊れないのは経済的にうれしいです。インターネット上ではFMSというフリーソフトのシミュレーターも紹介されており、愛用されている方も多いようです。RC飛行機
実験工房さんで紹介されています。
※、ラジコン用送信機と、専用ケーブルが必要です。 |
専門的なシミュレーターも市販されています。国内で扱われているものではリアルフライトが有名です。但し、高性能なシミュレーターであるほど、高性能なPC性能(グラフィックカード)が必要となりますので注意してください。
→→→→→
私は、失速系の描写に優れているシミュレーター Aero
Fly Pro Deluxをアメリカから取り寄せました。こちらは日本でのサポートがありません。
|
|
|
←初心者入門用DVD「始めよう!電動飛行機」¥1480
「スカイスポーツ応援団」を運営されているつばささんが製作された電動飛行機紹介DVDです。
DVD紹介HPはこちらです。このページでもラジコン初心者の方向けに記事がありますので参考にされてはいかがでしょうか。
|
やはり一番の近道は、誰かに教わることでしょう。
誰かに教えてもらうには
1)公園や川原でラジコンをやっている人を探す:必ず、どこかで飛ばしている人がいると思います。そこへ行って話しかけて見てください。きっと親切に教えてくれると思います。
2)ラジコンショップへ行って相談してみる:クラブへ入会するなどして指導を仰ぐのもよいでしょう。
|
さあ、あなたも大空の散歩に踏み出してみませんか!!