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つづき |
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■主翼の取付 |
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主翼を高翼化し、安定性を高めるためにパイロン(台座)方式にします。今回はパイロン(台座)を出来るだけ細くします。主翼揚力を少しでも稼ぐ為です。 主翼ネガティブコアを輪切りにスライスして主翼台座のテンプレートを作ります。 迎え角を付けるために、後縁側から高さ5.5ミリ分勾配が付くようにカットします。これで2度弱の迎え角の設定となります。 |
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テンプレートはスタイロのコアだけではふにゃふにゃなのでバルサを裏打ちし、ビス部分に内径1ミリのPPパイプを埋め込みました。 このPPパイプに1ミリのドリルで慎重に真直ぐなガイド穴を開けます。 1ミリの穴を元に直径2ミリに穴を広げておきます。 |
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直径2ミリのガイド穴をたよりにしてφ6ミリの穴を開けます。木工用きりを用いるときれいに明けることが出来ます。 ちなみに、表層部はカーボンとエポキシ接着剤の層なのでカッターで穴を明けたほうが良いです。 |
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パイロン材料です。 左上:パイロン(カーボンパイプ+ロービング補強) 右上:アルミ製皿ワッシャー このセットを前後に用いますので1.21gx2=2.42gが材料の重量です。 |
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パイロンとスリーブ。この組合せの選定に試行錯誤しました。 <右:スリーブ>外径6ミリ、内径5.3ミリの巻きタイプのカーボンパイプ。巻きタイプですので裂けにくいです。 <左:パイロン>外径5ミリ、内径3.3ミリのカーボンパイプ。巻きタイプではないので外周にカーボンロービングを巻いて裂け防止をします。スリーブの内径が5.3ミリですのでぴったりにする上でもカーボンロービングで外径をあわせます。※このパイプはH師匠よりわけて頂きました。凧用との話です。 |
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上の写真からの続きです。カーボンロービングを適度に裂いて、パイロンに瞬間接着剤で仮固定します。※カーボンロービングはブームから露出する部分のみにしました。 エポキシ樹脂を塗ったあと離型処理をしたスリーブを被せて硬化を待ちます。 左の写真は硬化後。スリーブを割って、パイロンを取り出します。これで補強済でスリーブの内径ぴったりのパイロンができました。 |
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ちなみに離型剤には写真のスプレーを使用しました。 「プラスチック成形用離型剤」シリコン系(溶剤非含有) 塗装スプレーを整理していたら出てきました。どうやって入手したか覚えていません。たぶん、仕事の関係でサンプルとしてもらっていたのでしょう。あることを忘れていました。 |
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必然的に後ろのパイロンから取り付けることになります。 パイプの内部には離型剤が残っている可能性があるので棒の先にペーパーを付けてアンカー取り付け部のパイプ内面を荒しておきます。 左の写真のようにエポキシ接着剤を塗ったアンカーを棒の先に瞬間で点付けして、パイロン穴の部分に挿入します。 |
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パイロン穴から覗きながら位置決めをしてパイロン(5ミリパイプ)を差込みます。 |
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続いて主翼を仮組し、前のパイロンも接着します。 |
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ここで、パイロンにネジ山を構成します。 使用したのは「プラリペア」。液体と粉末で樹脂が出来上がります。 3ミリビスにシリコン離型剤を塗り、この樹脂をまぶしてからパイロン内部に突っ込んで硬化を待ちます。 硬化したらビスを抜いて出来上がり。 |
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完成したネジ山。少し樹脂が足りなかったようですが、奥までネジ山ができています。 ※樹脂の盛り付けにはコツが要りますので切れ端で練習してからの本番をお勧めします。その意味では、この段階でネジ山を付けるのではなく、パイロン取り付け前に行うのがベターです。 2010.6加筆)ネジ切りの為に肉盛するのはごく僅かですので瞬間接着剤を数回に分けて流し込んでもOKです。(わざわざプラリペアを調達しなくてもOKです) |
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軸ずれがあった場合、修正がきくようにスリーブ(アウターパイプ)の固定は一番最後にしました。 スリーブ(アウターパイプ)は若干長めにしておき、翼面まで削ります。 この主翼接続部にカーボンを貼ります。 |
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主翼上面にはアルミ製の皿ワッシャを埋め込みます。 |
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続いて台座の製作。 左上は主翼下面で型取りしたカーボンシート。 右下は6ミリバルサから切り出した台座。今回はパイロンの直径ぎりぎりの巾:5.5ミリにします。 これで台座回りの抗力を減らし、主翼中央部の揚力を最大限引き出そうという考えですが、結果はいかに・・ |
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バルサの台座は3分割し、パイロンの部分を丸く削ります。 |
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主翼下面で型取りしたカーボンシートはバルサの台座よりも一回り大きめにしておいて、ラッカーパテでフィレットを作ります。 パイプとの取り合い部にもラッカーパテでフィレットを作って完成。 軍艦のような形になりました。 |
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ポッド+台座+ブームの重量 33.07g ここまでは順調にできました。 |
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パイロンには既に十分な強度が確保できているとは思いますが、念のためカーボン補強をすることに。 マイナスR部分にスポンジと塩ビ板をかまして目玉クリップで挟んで養生。 |
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最小の補強ではありますが、これで十分でしょう。 | |||
塗装後の写真。 巾5.5ミリ!とてもスマートな台座が完成しました。 まさに「軍艦」のようです。 |
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前縁側 |
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後縁側(リンケージ後の写真です) |
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ここで悲劇が起こりました。プラリペアで作ったネジ山が固めなのを無視して、レニービスをドライバーでグイグイ締め付けていると、あろうことかビスの胴がねじ切れました。ビスの胴はパイロンのパイプ内に残ったままΣ(|||▽||| ) 作り直す事は不可能。ビスの胴も抜けそうに無い・・目の前が真っ暗になりましたが、冷静に対策検討・・ ビスは樹脂製なので穴があけられる。ビス胴の中心に1.5ミリドリルで穴をあけ、2ミリ、2.5ミリのドリルで順番に穴を大きくしたあと、3ミリのタップを切りました。意外とうまくリカバリーできました(゚ρ゚*) |
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■組立て&リンケージ |
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全パーツが揃いました。(尾翼は4回目も作り直しました) ここで必殺、現物重心合わせ!リンケージを含む全てのパーツを置いて吊りあう尾翼位置を確認します。 尾翼を小さくしましたが、その分尾翼位置を後退できそうですので尾翼容積は従来レベルの確保が可能です。これでランチ時の抗力を低減できるとよいのですが! ||| \( ̄▽ ̄;)/ ||| |
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リンケージはこれまで、マイクロカーボンパイプを使用してきました。 今回はさらなる軽量化と動きをよりスムーズにする為に、ポンダブルテフロンチューブを使おうかな・・・と思ってテフロンチューブをドライヤーで伸ばして準備をし、体重を比較してみると、たったの0.18gしか変わりません。 悩んだあげく、これまでどおりにマイクロカーボンパイプ+ギター弦としました。(やはりパイプ内に内装できるのが良いですね)
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ホーンはカーボンクロスをエポキシ樹脂で固めて作った自作キュアシートと0.5ミリFRP板を貼り合わせて製作。他にもっと良い方法はあるのでしょうが・・ この方法は動翼にカッターラインを1本入れるだけで差込めるのがメリット。0.5ミリFRP板は動翼に埋まる部分は避けて瞬間で貼り合せています。カーボンキュアシートだけではふにゃふにゃですが、FRP板をを貼り合わせることでしっかりとした強度が出ます。 今回は、ホーンの前縁、後縁を尖らすように削っています(芸が細かい!でも効果は気休め程度か?) |
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エルロンホーンのリンケージ。 ・空気抵抗を少なくする為にホーンの表面積を最小にしました。 |
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エレベーターリンケージ。0.16インチのギター弦使用。(0.17インチより0.16インチの方が動きがスムーズです) ・ホーンを台座の直後に配置 |
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ラダーリンケージ。0.16インチのギター弦使用。 ・カーボンパイプの持ち出しが大きいので、0.5ミリFRP板でスロープを設けています。 |
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■ハッチ |
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ハッチの内枠を予めガラスクロスで作ります。 100gクロスだと強度が足りないので200gクロスが必要です。 |
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外周はハッチより一回り大きく、内周はハッチより一回り小さく切り抜きます。 これで1g以上ありますので、ばかにならない重量です(;^_^A |
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切り抜いたハッチを2/3程度にカットした後にカーボンロッドを受けるガイドをバルサで作ります。 約2ミリの隙間をあけて、バルサを瞬間を固めます。 |
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内枠はリンケージ終了後に瞬間で貼り付け。 内枠を取り付けると開口は一回り小さくなります。(ロッドやホーンと干渉する部分は内枠を切り欠きます) ※先に内枠を付けてしまうと、リンケージがやりにくくなります。 |
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ノーズ側にもバルサガイドを設けた内枠を貼り付け。 ノーズ側は「受け」を作らず、開口部面までで納めます。 |
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ハッチの裏に1.2ミリのカーボンロッドを貼り付け。 瞬間で仮止めした後、エポキシで固定します。 |
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後ろ側を先に差込み、行って来いで取り付けます。 開ける際はノーズ側を軽く押さえて後ろに押し出すようにすることでスライドします。 |
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■完成 |
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主翼重量118g(ペグ、ホーン等込) バギング直後の重量は114gでしたから、主翼接合や各種処理、ペグの重量で4g増えたことになります。 |
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胴体重量83g(BATT、ウイングビス 除く)
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全備重量210g(BATT込) バッテリーはコスモテック300mAh(約9g)を使用。 主翼面積が21dm2ですので、翼面荷重10g/dm2で仕上がりました。 |
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