■ 競技用DLG機 Hayabusa 11 の製作



■機体の設計

 


hayabusaシリーズ11機目の設計となりますのでネーミングはhayabusa11

シリアルNo.19・・・直貼り機19機目です。
今回のカラーリングはオレンジ

主翼面積による分類。
管理人は便宜的に次のように整理しています。

 

翼面積

中央翼弦
ナロー翼機

19〜20dm2

165mm前後
標準機

21〜22dm2

180前後
ワイド翼機

22dm2 超

190前後

これらの特性は

 
特性

ナロー翼機


非力ランチャーでもランチ高度が確保し易いのが最大のメリット。主翼抗力が少ないので重量の割に機動力があります。

上空でのサーチエリアも大きくとれますので人が行けないところまで足を延ばしてサーマルを捕まえることができます。そのままシンクに飲み込まれることもありますが・・・

デメリットとしては少々安定性に欠ける点。スピードコントロールをきちんと行う必要がります。スピードが落ちると沈下が大きくかつ不安定になるのでキャンバーコントロールをうまく行う事でカバーしてやります。
 

標準機


ナロー翼機と比較すると安定感があってコントロールし易い。少々ラフなコントロールとなってもリカバリーし易いことも含め、渋いコンディションで粘るにはこのくらいの主翼面積が必要です。

進入を良くするには主翼抗力に見合った重量が必要なので機体重量は250g以上をあった方が良いでしょう。これが非力ランチャーには少々きつくランチ高度がとりにくいです。
 

ワイド翼機
今後のお楽しみです。

今回はナローと標準の中間機を製作してみることにします。

ところで、実は1年前に同じコンセプトでhayabusa7を製作しましたが、
不運の事故により短命に 終わった為に評価する間もなかった次第です。
※この際はhm51ベースの翼型でしたので特性は若干異なると思います。

 

翼面積

中央翼弦
hayabusa11

21dm2

172ミリ

翼面荷重は経験的に11.5g/dm2程度必要と考えていますので
今回の目標重量は240g。
 

■尾翼の製作

尾翼製作道具

1)尾翼削り台
そうめんの木箱に5ミリのEPPを貼り付け
2)サンディングブロック
硬質スポンジ+マジックテープのサンディングブロック
(ペーパー:#180 マジックテープタイプ)
3)スポンジペーパー
3M スポンジペーパー ファイン(#240-320)

サンディングが終わったら水洗い。

スタイロの”粉”がきれいに取れます。

尾翼は今回もアラミド製。
<メリット>
・ヒンジにアラミドを追加する手間がかからない。
・上記により、ヒンジ部の段差ができない。
・強度が確保できる。
・垂直尾翼下端が痛みにくい。
・カラーリングが主翼と揃ってキレイ。
<デメリット>
・重い・・・今回は重量12.62g
(2014.4追記:強度や耐久性の面で2014.4現在はアラミドを標準採用しています。12g台で出来上がれば合格です。)

■主翼バギング

バックプレートはPP(ポリピレン)シートを使用。表面がピカピカに仕上がります。さらにWAXが不要。関西ではメジャーなホームセンター”コーナン”で入手できます。

類似品の”アクリサンデー”製のPPシートは外観が同じですが、表面処理がしてあって離型しませんのでご注意下さい。

←このラベルのものはNGです。

主翼重量トリミング後 59.6g。

胴体(メカ共)が120g程度で仕上がるとすると、だいたい240gになるでしょう。

トリミングした後、前縁を鏡面仕上げにする為に再バギングします。

前縁をキレイに仕上げた後、写真のようにネガコア(前縁部15ミリカット)に載せてバギング。

フードセーバーで再バギング。

上面はピカピカに仕上がりましたが、裏面に少々樹脂が回り込んで筋と凹凸ができてしまいました。樹脂の加減が難しいです。

尚、今回、試してみましたが樹脂を塗るだけではピンホールは潰れませんでした。hayabusa9.5で掲載しましたようにクラフトるうむさんの60gカーボンクロスを解いたものを使用する必要があります。

クラフトるうむさんの60gカーボンクロス、販売開始すべく準備中とのお話です。

次回クラフトるうむカップに参加される方は引き取りに行けば入手できるかもしれません。

■主翼台座

このパーツは主翼パイロンのベース。

主翼コアカット用のテンプレートをレーザーカットでオーダーメイドした際に余った部分で製作しておきました。

t1.5mmX10mmX100mmの航空ベニアに@80mmでφ5mmの穴を空けてあります。中央部は軽量化の為に肉抜きしています。(この肉抜きは重量的には僅かなのであまり意味が無いかも知れません)

今回、パイプはクレールさんのStrong03(フル補強版)を使用。ノーマル品と比べるとかなりしっかりしています。重量は18.5g程度ありました。

パイロンが立つ部分は98gカーボン(巾25mm)で補強しています。特に後ろのパイロン部分はエルロンリンケージを取り出す長穴も明きますので弱点になります。(以前に後ろのパイロン穴部分でパイプが折れたことがあります)

主翼パイロンベースをセットした写真です。

穴から5ミリカーボンパイプを差込んで位置決めし、片方の穴からパイプで押さえながらもう一方の穴から瞬間接着剤を落として仮固定してから、本固定します。

少々コツが要りますが瞬間接着剤のみで固定できるので養生時間が短縮できました。

ピンボケですが、パイプの中にパイロンベースを固定した写真です。

ベース材の1.5mm航空ベニアのパイプと接する部分はテーパーをとってパイプ内面に沿うようにしておきます。

パイロンはhayabusaシリーズ当初より採用している方法を継続しています。外形5mm内径3mmカーボンパイプにカーボンロービングを巻いて製作します。

バルサ台座にはこの時点でなるべく翼型に沿わせると共にフィレット状にしておくと後で整形する際に楽です。

主翼と台座の隙間調整を行うと共にとフィレットを作ります。

台座側はバルサ面を3mm程残してマスキングします。

主翼裏面にポリエチゴミ袋を貼ります。パイロン穴は鋭角カッターでキレイに繰り抜いておきます。

主翼裏面はマイナスRなのでポリエチゴミ袋には軽くスプレー55のりを薄っすらと吹き付けておくと良いです。

バルサ台座にたっぷりとエポキシ接着剤を塗ってから主翼を取り付けた後、ヘラでフィレットを作ります。

失敗談ですが、この時点でエポキシの粘度を下げて凹凸を馴染ませる為にドライヤーをあてた事があります。ドライヤーをあてるとポリエチのゴミ袋が伸びて波打ってしまいました。ドライヤーはNGです。

硬化したら、主翼側のポリエチゴミ袋を外します。

ポリエチゴミ袋はパリッときれいに離型できます。フィレットの先端は波打っていますのでペーパーで整形し、残った凹凸は、ラッカーパテで仕上げます。

■ペグの製作

段違い翼端ペグの製作。翼端ペグはアラミドを混ぜず、カーボンクロスのみでカチカチに固めるこのポイントです。手で簡単には曲がらない位の強度が必要です。

今回はホビキンの160g/uのカーボンクロスを使用。

それぞれのクロスはスプレー55のりで2枚貼り合せておくことでほつれません。

今回のPLY数は左図の通り。2重線は2枚貼り合せを示しています。

160g/uカーボン×8PLY、曲がり部には198gカーボン×2PLY×2

これで十分な強度が得られました。

ちなみに、これまで198g/uカーボンのみを使用していたので、左図のように 198g/uカーボン×8PLY、曲がり部には198gカーボンを1重としていました。

型板は本当は0.5ミリ程度のアルミ板がよいのですが、手元になかったので0.3ミリの真鍮板を使用。

0.3ミリだとかなり柔なので折り曲げ加工は容易でしたが、樹脂塗り後の養生の際は3ミリのアクリル板をかませててクランプで圧締しました。

硬化後、真鍮板を剥がします。

WAXを塗るのも面倒なので、真鍮板は無処理のまま使用しましたが、エポキシ樹脂は鏡面仕上げの金属板には完全には密着ませんので、カッターの刃を差込めば離型できます。

グラインダーを用いて屋外で粗カット。大量のカーボン粉が出ますので室内でやると大変な事になります。

ハンドリューターで仕上げて完了。根元は削らず、先端に行くに従って少し薄くします。

今回は2.3gまで削りました。

翼端へ取り付け後、内側に1ミリもしくは1.5ミリバルサを貼って整形します。

強度的には不要ですが、カーボンだけだと痛いので・・・ただ、空気抵抗が増すのが少々嫌な感じです。

■サーボベッド

サーボベッドもレーザーカット品。

主翼コアカット用のテンプレートをレーザーカットでオーダーメイドした際に余った部分で製作しておきました。

1.5ミリの航空ベニアを用いたので軽量化の為に、これでもか!という位の肉抜き。

サーボベッドにはアラミドを貼って補強します。1.5ミリの航空ベニアなので、ビス部に補強する必要がなく楽チン。

ただ、肉抜きしすぎたようで、エルロンサーボのラップ部は少し柔な感じ。もう少し強度があった方が良いと感じました。

■完成

 

完成重量 BATT込 236g
最終的にノーズに5g積みましたので241g

今回のカラーリングはオレンジ。

主翼は鏡面仕上げでピカピカです。

いつも同じような写真なので今回はディテールアップ。
↓↓↓主翼接合部の補強はカーボンとガラスクロスを貼り分け。
補強巾は30ミリにしていますが25ミリで十分です。
主翼固定ビスはチタン皿ビス+皿ワッシャーによる枕頭仕様。

↓↓↓主翼パイロンの部分はカーボンクロスで補強。
裏面の主翼接合部はカーボンクロス(巾25ミリ)
エルロンヒンジにかかるとヒンジが渋くなるのでヒンジの手前までで止めています。

↓↓↓水平尾翼の台座はスタイロコアにカーボンクロス貼り。
エレベータリンケージは台座内装で、ホーンは台座センターに配置。
垂直尾翼は尾翼側をカットして差込んで接着しています。
(パイプ側には割りは入れません)
この際、垂直尾翼補強スパーをカットしてしまうと強度が落ちるので
補強スパーの手前までで止めるようにします。