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■機体の設計 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ついでに市販機の分類も行ってみます。 こうして並べてみると、22dm^2超えの機体が多い事が分かります。 (BlasterとFireworksは2回カウントしていますが・・) そうすると22dm^2超えを標準機と呼ぶべきではないか・・とも思ったのですが MarkDrela博士のSuperGeeを標準と考える・・とすれば異論はないでしょう。
もうひとつ気付いたことがあります。 hayabusaシリーズでは翼面荷重11.5gをひとつの目安としてきましたが 主翼の摩擦抵抗と翼面荷重には関連性があると考えられますので 次に翼型の検討
管理人は翼型解析ソフトを使って解析している訳では ありませんので この4つの翼型は、翼厚を同じに変形させるとフォルムはとても類似しています。 zone52はFireworks Flowで採用されている翼型です。ag455やhm51と比べるとかなり薄翼です。 zoneは良く見るとエルロンヒンジラインあたりが微妙に凹んでいます。 ついでにah84の翼型。上記4翼型とは形状を異にします。
今回のスペック
翼面荷重は11.0g/dm^2を目標として今回の目標重量は247.5g。 ちょっと難しそうです・・・とりあえず250gを目標としてみましょう。 |
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■主翼のコアの加工 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
コアは久々にO工房さんでCNCカットして頂きました。 O工房さん、今年の夏にCNCカット装置の更新をされたようで品質は一段とUPしていました。 |
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後縁の延長部は薄皮1枚分がきれいに残されています。 翼型で説明しましたが、エルロンヒンジラインあたりが微妙に凹んでいます。 |
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ワイド翼にしたのでバックプレートの寸法が足らない事に気づきました。 いつものPPシート。購入される場合、離型しないタイプがありますのでご注意を!(必ずエポキシ接着剤などでテストしてから使用してください) |
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切り出す前にエアブラシ用のマスキングフィルムで養生します。これなら仕上げ面を下にして作業しても大丈夫。 これがない前縁部を削る際には傷だらけになります。 このマスキングフィルム20年以上前に買ったものです。いつか使う事があるだろうと、20年も大事に?とっておいた甲斐がありました。意外と劣化はありません。 |
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コア接合→トリミング後重量21.3g。 以前にah84で中央翼弦180ミリのコアを計測した際は22.8gでしたので、翼面積が大きくなっているにも関わらず、薄翼の分1.5gも軽くなっています。 仮に翼弦が180ミリとすると翼厚7.3%なら最大翼厚13.14ミリ。6.1%なら最大翼厚10.98ミリ、比率にすると16.5%薄くなります。
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最初は和紙をバイアスに2枚重ねるプランなども考えましたが、よくよく考えるとマイクログラスを1層貼るのと同じなのでボツ・・・重量の割に強度の増加が少ない。 重量対比でいうとカーボンキュアシートを縦に割り込ますのが一番効果的と考えました。これはMarkDrela博士のSuperGeeに採用されている方法です。 図のスパーキャップは工作の誤差で段差ができるのがいやなので湿式の工作とします。 |
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0.15ミリ カーボンキュアシートからスパーを切り出します。 SuperGeeの図面を参考に0.09”=2.3ミリ程度に。 ちなみにカーボンキュアシートはそんなに正確にカットできませんので約2.5ミリでカット。 |
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コアにカッターを入れます。入り過ぎないようにカッター刃にマスキングテープでガイドを作っておきます。 スパーは風圧中心である25%の位置に入れます。スパン方向には全長に・・とも思いましたが翼端部は不用だろうということで640ミリとしました。 |
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キュアシートの厚みは0.15ミリと言えども、カッター目だけでは差込めませんでしたので#320のサンドペーパーを差込んで削ります。 サンドペーパーが引っ掛かって部分的に巾が広くなってしましました。とてもデリケートな工作が必要です。 |
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仮に差込んでみました。いい感じです。キュアシートが出っ張ると翼型に致命的となりますので念入りに確認しておきます。 バギングの際に5052樹脂を塗って差込みます。巾が広くなった部分は樹脂を多めに塗る事にします。強度に貢献するかもしれませんので・・ |
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■バギング |
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型紙にデザインをスケッチ。 このデザインを決めるのに1週間以上、あれやこれやと考えました。カーボンCボックスのブラックをデザインに活かすのは結構難しいです。 |
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テンプレートをつくり、和紙を切り出します。 和紙は後でトリミングしないで良いようにピッタリサイズに切り出しておきます。 カーボンCボックス部分のブラックの和紙に”うねり”をもったラインにしました。(カーボンは直線です) |
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スパーに5052樹脂を塗って挿入します。入りにくい部分はローラーで押さえます。 溝がゆるいところに樹脂を充填していきましたが、最終的には全長に渡ってたっぷりと樹脂をのせました。重量的には片翼で0.5g強でしたので重量の割に強度貢献は大いでしょう。 |
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スパーキャップの様子。この部分も樹脂は多目に。 ねじれ剛性を確保する為に、アラミドはケチらずにカーボンの部分までラップさせています。 カーボンCボックスの巾は通常は30%程度ですが、今回は剛性確保の為に約40%まで大きくしています。 |
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オモテ面の処理の様子。 着色がない部分にも無地の和紙を載せます。 |
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バギングから出てきました。 心配していた強度ですが、スパーの効果は絶大でカチカチです。これなら心配ないでしょう。たわみ方向はしっかりした剛性を確保できました。 スパーは表面からは全く分かりません。スパーの凹凸が響くのを心配していましたが、スパーの上に3層乗っていますので影響はでませんでした。 |
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気になる重量・・・トリミング後 約65g。 主翼は130g強となる見込み。目標とする250gを少しオーバーするかもしれません。 |
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ピカピカに仕上がりました。 |
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師匠のBlackMagicも最近は(超)鏡面化されているのに感化されて、 |
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尾翼削り台で削っている様子。 そうめんの空木箱に5ミリのEPPを貼り付けています。 後縁を削る際は、裏面にマスキングテープ貼。 以前にテープを剥がす際にコアが破れてしまう例をお聞きしました。マスキングテープは軽く押さえる程度にしておくと剥がし易いです。 |
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鏡面化すると重量が増すだろうということで コアは2枚で4g以下にしておきます。 水平尾翼は厚さ0.5ミリx3ミリのカーボンスパーで強度を確保しますので薄くして軽量化します。 |
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スパーにエポキシ接着剤を塗って割り込ませます。 この方法は確実に強度を確保できます。カーボンスパーの重量増は約0.5g。 コアを0.5g分厚く作るより合理的です。0.5x3のカーボンスパーが折れることはまずないでしょう。 |
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カーボンスパーの巾が3ミリのなで、かなりのギャップが出来ます。 エポキシ接着剤が固まったら、軽量パテでギャップを埋めます。 軽量パテによる重量増が殆どありません。 |
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ビルダーのO薗氏が見つけられたPP製\100均バインダー。A4サイズですがバインダーのサイズはA4サイズより一回り大きいので対角で水平尾翼も十分です。 表面にバイアスのスジが入っていますが裏面は鏡面です。 厚さは0.6ミリでした・・・尾翼には丁度良い厚さ。 |
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平面型を切り出します。 表面傷防止の為にエアブラシ用のマスキングフィルムで養生。 |
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前縁部を削ります。 大型カッターの刃を垂直に立ててスクレーパーとして使用します。この方法だと気持ちよく削れます。コレ、師匠考案の方法です。 ※プレートを押さえる左手を切らないように!僕はカッターの先端が左手に刺さりました。痛タッ!! |
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バックプレートにアクリルラッカースプレーで着色。 完全に隠蔽するぎりぎりの厚さで塗ります。 重量計測すると、水平尾翼:片面で0.3g程度でした。水平・垂直で1.2g程度重くなる計算です。 |
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ピカピカの尾翼が出来上がりました。 でも、カラーリングが地味すぎました。戦闘機の下面に使っていそうな色です。上空では空に馴染んでしまうでしょう。 |
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スパーの跡や、アラミドヒンジの跡は全くわからない程です。 美しく仕上げるコツはまた次の機会にしましょう。 |
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体重測定・・・水平 + 垂直で12.37g。この仕上げでこの重さであれば上出来です。 |
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以前にオーダーメイドしておいた主翼パイロンのベース。 ピッチ80mmでφ5mmの穴をあけていましたが、今回はワイド翼なのでピッチ90ミリ。 急遽、延長しました。 尚、パイロン穴の部分は25ミリ巾のカーボンクロスで補強してあります。 |
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主翼パイロンベースの位置決め。 主翼パイロンベースを挿入し、5ミリの長いカーボンパイプを2本差込んで通りと垂直を確認します。片方をそっと抜いてから瞬間を数滴流して位置決めします。その後、もう一方のカーボンパイプも抜いて瞬間をタップり流して本固定します。 パイロンベースが固定できたら、5ミリのカーボンパイプで作ったパイロンをエポキシ接着剤で固定します。 |
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ポッドは背割り部分で開いて取り付けます。 パイプ側にはカーボンロービングを巻いておいて接着面を稼ぎます。 |
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カーボンロービング部分にエポキシ接着剤をたっぷり付けて接着。 ポッドの終端部にはエポキシ接着剤を塗らずにおいて、瞬間接着剤で固定します。 こうすると、位置が決まりますので養生が楽です。 |
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台座はバルサから削り出したベースにカーボンクロスを瞬間で貼り付けて製作。 パイロン間にはバラストルームを作りました。 ※カーボンクロスはクラフトるうむ製62g平織りクロスを使用しました。以前にもレポートしましたが、ハサミで切ってもほつれにくいのでこうした作業に最適です。 |
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■完成
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完成重量は250gとなりました。 ↑↑↑↑ 斬新なデザインに仕上がりました。上空でもとても目立ちます。
↑↑↑↑ 主翼はピカピカ。 スパーを入れた効果で剛性は十二分!カチカチです。
↑↑↑↑ パイプのパイロン部はカーボン補強。特にエルロンリンケージ
↑↑↑↑ 尾翼リンケージ(裏返して撮影)。エレベーターホーンは半内装。 ↑↑↑↑ エレベーターホーン半内装はこの写真のような構造になっています。
↑↑↑↑限られた空間に収める為に、ホーンは火でであぶってへの字に曲げ込みます。
ナロー機HAYABUSA9.5との比較。中央翼弦が約20ミリ違います。 |
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■飛行調整
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まずグライドテストでエレベータートリムを合せ、軽くランチ。 2-3投の後に、これは!とハードランチャーのOZ氏にテストランチをお願いしたところ ---------------------ペグの修理--------------------- 折れたペグを抜いて取替え・・・とも思いましたが、抜く際にコアがボソボソになりそうだったのと
ロッド径は3ミリ。厚みを薄くする為に少し削りましたが強度は十分だと思います。 ---------------------重心--------------------- とりあえずバラストをあまり積まずに飛ばしてみます。 hayabusaシリーズで経験的に前縁からこの位であろう という位置に ワイド翼のせいか、それなりに飛ぶには飛びます。 Mark Drela博士のダイブテストでは CG at rear limit (後ろギリギリ)の状態
次回 Desirable behavior(丁度良い) となるようもう少し前にバラストを積んで ---------------------沈下率--------------------- 特に着陸(ハンドキャッチ)間近(地上10m以下)で 今回は設計目標どおり250gに仕上がりましたので翼面荷重は11.1g/dm^2と ---------------------スピードコントロール--------------------- サーマルモード+サイドレバーででキャンバーをグッとおろしてみます。 このとき、ナロー翼機ならスピードを下げながら沈下少なく飛ばせるのですが スピードが下がると失速し易くなります。 この重量ではスピードコントロールをしっかり行わないと --------------------重心再調整(更新2011.12.18)--------------------- 推進力を確保するために前にバラストを7g追加し、合計10g積んで調整。
無風に近い状態であればあまり問題無いのいですが キャンバーについてはやはり3mm程度より多く下げるとスピードが落ちて 主翼抗力に打ち勝つには推進力が足らないのでしょう。 前にバラストを積んだ分、エレベータートリムをアップに入れています。 ---------------------ランチ高度--------------------- ランチははっきり言って上がりません。 257gという重量とあわせて、ナロー機とは全く違います。 ランチ時に腕に掛かる負荷が大きいことと関係があるか無いかわかりませんが 僅かですが腕の遅れが大きくとれるようになり体全体のバランスが良くなったような気がします。 ---------------------バラスト--------------------- 推進力を得るために、バラストを積んでみる事にしましょう。
航空ベニアで作った枠に釣り用の鉛を溶かして流し込みます。
削り合わせ後の重量26g
搭載します。
ノーズの重りを少し抜きました。
テスト飛行は強風下となりました 全体が重くなれば、もう少し後ろ重心でもいけるかも・・と思っていましたが 全体が重くなれば、もう少し後ろ重心でもいけるかも・・はダメでした。 バラスト2個で283g(翼面荷重12.6g/dm^2 ) 軽くした方が沈下率が少ないですが、重い方がランチが上がる。 暫く更新が止まっていましたがあれやこれや試していました。 前回は強風下でしたが、ほぼ無風の中での再調整。 それから、ナロー翼機と比較すると、どうも走らないということで 2本ある主翼ビスの後ろ側ビスを緩めて1ミリバルサを差込んでかさ上げ することで 沈下量を小さく飛ばそうとすると、ついついスピードが落ちてしまい機体性能が活かせません。 ”軽く”などと考えず、重量(翼面荷重)を増やして走らせた方が良い結果が得られそうです。 --------------------尾翼取替え--------------------- 尾翼が破損したので取替え。
キャノピーも同じ色にしてコーディネートしました。
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■工学的アプローチ
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スピードコントロールが大切という結論です。
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