リペア(修理)



■リペア(修理)


完成したばかりの機体がノーコンで墜落。

かなり派手な墜落でした。ほぼ垂直降下、よりによって土手のコンクリート法面に激突。

なぜノーコンになったかは、ここではさておいて。

損傷状況は

主翼は真っ二つ、ノーズは陥没、ブーム骨折etc・・・かなりの重傷。

でも激突があまりに激しかったせいか各パーツはキレイな状態。

それにしても痛い。

折りたたんで持ち帰れますよ。 世界初、折りたたみ式HLG!

これぞジャンク!

あまりに潔く壊れているので、半ばヤケクソで修復することに・・

 

■PODの修理

真っ逆さまに落ちたせいでノーズがかなり陥没しています。

サーボベッドは半分から後ろは使えそうなので前の部分を取り除いてあとから付け加えることにします。

PODはアラミド+ガラスクロスでできています。ガラスクロスは衝撃で割れてしまいますが、アラミドはそう簡単には破断しません。

陥没部分を内側から押し戻してやります。

押し戻すと出てきたアラミドクロス。

内側から補強のアラミドクロスをあてます。

指が引っ付かないようにポリエチレンの手袋をはめて、原型に補正しながら低粘度瞬間で固めていきます。

PODの側面に入っているたくさんのクラック部分も裏当てをして低粘度瞬間で固めます。

これで強度面では補修完了です。

続いて表面の成型。

タミヤラッカーパテを使用します。ラッカーパテは溶剤の揮発により痩せが出ますので、大きい段差はエポキシ樹脂やエポキシ接着剤にマイクロバルーンなどの増量剤を加えたもので盛り上げます。

ラッカーパテ--->サンディングのサイクルをに2〜3回繰り返せばほぼ平滑になります。

下地の最後はサーフェイサー500を吹き付けて完了。

ここで細かい凹みなどをもう一回チェックして、凹みがあればパテ補修します。

あとはスプレーで着色して完成。

PODはいつも同じ色を使っているので塗料を探す必要なし。

ブームの修理

中間で真っ二つ。かろうじてリンケージワイヤーでつながっているだけでした。

破断していなければカーボンクロスで補強して直す方法もありますが、今回は完全に破断していましたので、新品に取り替えることに。

新しいパイプを上から被せます。

重量増を重心に近づけるためになるべく主翼に近いところでジョイント。被せしろは50〜60mm。

被せる側の新しいパイプの摺り合わせ、寸法出しはかなり微妙ですので慎重に。

ジョイント部を目立ちにくくする為に、被せる側のエッジも少し削っておきます。

接続は中粘度瞬間接着剤。

エポキシ接着剤はパイプ表面への密着が悪いケースがありますので瞬間接着剤を推奨します。

尚、低粘度瞬間接着剤を使うとパイプを差し込む途中で固まってしまうリスクがありますので使用しないほうがよいでしょう。

接続完了。

ここでつなぐメリットのもうひとつは目立ちにくいこと。

ブーム修復完了。

主翼の修理

主翼も真っ二つ。

エルロンが壊れていないのは救い。

エルロンに近い方は綺麗に破断していますの元通りに復元できます。微妙に空隙があるので充填性のあるでエポキシ接着剤を使用します。

勿論ですが、上半角とアライアンスに細心の注意を払います。

接続が終わったら

1)陥没がない部分は上からグラステープで補強します。

2)陥没部分はマイクロバルーンを混ぜたエポキシ樹脂で充填します。

3)前縁に近い側は座屈が激しいので切除じて新しいコアに入れ替えます。

コアをプラスチック用接着剤で接着。

注意深くサンディングします。

でもやっぱり境界部が凹んでしまいました。

後からラッカーパテで補修しました。

完了写真。

カーボン(Carboline)は1枚で仕上げた方がよかってです。

 

余談ですがこのような治具が活躍します。

主翼の修理その2

前縁部分が座屈して陥没しています。

バリを削り落とした後、コアを指でなるべく復元した後に、コアが咲くている部分に5052エポキシ樹脂を流し込んで固めます。

硬化後、陥没部分を軽量パテで埋め、仕上げはラッカーパテ。

サンディングの後に再塗装しました。

表面は裏面ほどに陥没はないですが、同様の破損状況でしたので上記と同様の補修を行います。

補修した部分にカーボンを上貼りします。

尾翼の修理

尾翼は比較的きれいに残っていましたが、修理で増えた重量を少しでも軽くする為に新品に取り替えます。

重量、約0.5g軽くなりました。

台座の製作。以前はスタイロコアを使用していましたが、扱いやすいので最近はバルサを使用しています。

10mmバルサより外形切り出し。この時点で尾翼の翼型にあわせて尾翼取り付け面を削っておきます。

台座自体を流線型に成形します。

カーボンクロスを瞬間接着剤を用いて貼り付けます。

この造形、3次元なので5052樹脂を用いてカーボンクロスを貼ろうとすると結構大変です。

その点、バルサだと瞬間接着剤が使えるのが良いです。

完成重量0.7g

■修理完了

 

元通りになりました。

この距離だと修理したのが殆どわからないです。



気になる重量は250g

元の重量が240g位だった気がするので重量増は10g。まあこんなもんでしょう。

修理後も活躍しています。