主翼の製作



■主翼の製作その2(2015年バージョン)


hayabusa15以降で採用しているcarbolineを使用した主翼のオーバーレイ方法を紹介します。

それでは いよいよ樹脂作業に入ります。

材料の準備に関しては主翼の製作そのをご覧ください。

■樹脂作業(コア)

最初にコアの強度部分に薄く樹脂を引きます。

前縁カーボン部分、ヒンジライン、後縁、スパー部分、ペグ回り。

写真で薄っすらと色が濃くなっている部分が樹脂を塗った部分。

強度確保に寄与しますが、塗り過ぎると重くなりますので注意しましょう。

この作業はチンタラやると結構時間を食います。

ローラーを使って手際よく行います。

塗り過ぎたと思ったら、トイレットペーパーで吸い取ります。

■樹脂作業

いよいよ本番です。

最初にバギングプレートに均一に樹脂を塗ります。(アラミドを貼る部分には塗りません。)

※バギングプレートには前工程で転写の塗装が施してあります。樹脂塗り作業は樹脂の粘度が低いうちに行うようにします。粘度があがった樹脂を塗ると転写の塗料が剥がれてしまいますので注意してください。

続いてロゴの貼り付け。

裏返して置くのを忘れずに。

ロゴ紙の上からも樹脂を塗ります。

カーボン(Carboline)を置き、塗布ローラーで樹脂を塗ります。

1.0ozアラミドをカーボンに少しラップさせながらセットします。

アラミド部分のバギングプレートには予め樹脂を塗ることはしません。アラミドも一度樹脂に触れると引っ付いてしまいます。これを剥がそうとするとま繊維が崩れてしまい大変なことになります。

特に今回のように細くカットしたアラミドはすぐに繊維が崩れてしまいますので注意深く作業します。

セットができたらアラミドに樹脂を塗ります。

左の写真はアラミドに樹脂を塗った直後の写真。

繊維が樹脂を吸って膨張しています。

左の写真は押さえローラーで繊維を潰した後の写真。

線費が平たく押しつぶされているのがわかります。

これにより樹脂を薄く延ばすことができると共に、表面のピンホールを減らし、より平滑に仕上げることができます。

スパーのカーボンUDテープ。カール癖がありますのでスプレー55のりでポリエチレン製のゴミ袋に貼り付けて樹脂塗り作業を行いやすくします。

写真の作業はバギングを始める前の下準備として行なっておきます。

尚、スプレーのり55の量が多すぎると、剥がすときにカーボン繊維がくっついてしまいますので適量(どちらか言えば少なめに)を塗るように心がけてください。

ローラーで樹脂を塗ります。UDテープは密度が高いせいか、片面塗りでは裏面に樹脂が回りこみませんので両面に樹脂を塗る必要があります。

写真のようにまず片面に樹脂を塗ったあと、1枚ずつになるようにポリエチレン製のゴミ袋をカットします。

先ほど樹脂を塗った面を下にして貼り付け、押さえローラーで押さえます。

ポリエチレン製のゴミ袋を剥がします。この後、ゴミ袋を剥がした面に樹脂を塗ります。

これで樹脂塗り作業は完了。

翼1枚に45分程度かかります。私の場合、樹脂の粘度が上がり過ぎるのを防ぐために、樹脂は3回練っています。

1回目:コアへの塗布用
2回目:右翼用
3回目:左翼用

樹脂の吸い取り作業。トイレットペーパーを用いて余分な樹脂を吸い取ります。

トイレットペーパーはシングルタイプがよいでしょう。(吸い取った状態がわかり易い)

吸い取りの目安は、素手で触ってわずかにタック(粘着)感がある状態。でもこれは経験を積まなければ難しいかもしれません。

■真空引き

リリースフィルムに挟んだ後、パックに入れて真空引きします。

真空引きに関してはこちらをご覧ください。

■完成

 

2015年仕様のHayabusaを紹介します。

昨年から自作ナロー翼にもトライしましたが、なかなかフィーリングが合わず
標準コード翼(21.5sdm2)の主翼に回帰しています。

※見切りを付けた訳ではないので、そのうち再トライしたと思っていますが・・・

最近のポイントとして、主翼を軽量に仕上げ、質量を重心近くに集中させることに注意を払っています。
機体の重量とは別に、主翼の重量は機体性能を大きく左右すると思います。

それから、管理人特有の問題としてランチ高度を確保する為のいくつかの工夫を取り入れています。

主翼上半角は少なめ。5.5度程度。ランチ重視の設定です。

最近採用しているエアロエルロンホーンです。
エルロンホーンによる気流の乱れを防ぎます。

エルロンホーンを無くす方法として、スナイプで採用されている方式は大変秀逸だと思いますが

・ポッドの表面積が増える。
・主翼翼央の翼面積が減る。

と欠点を無理やり見出して(言い掛かりです)、相変わらずパイロン方式を継承しています。

拡大写真。主翼パイロンとエルロンホーンはほぼツライチに納まっています。

高速でダイブさせても殆ど音はでませんでした。

垂直尾翼はラダーレス仕様。
ランチ時のドリフトを防ぎ、ランチ高度確保に寄与します。
ラダーレスにはデメリットもありますが、ランチの低い管理人にとって高度のアドバンテイジはとても有効に作用しています。

ランチ時のドリフトを防ぐ為には
@ラダーサーボのトルクを上げる(サーボ性能や電圧など)
A2段ランチボタンによりランチ時にドリフトを打ち消す舵を入れる。
Bラダーを固定する。(ラダーレス)

が考えられます。管理人はBの方法を選択している訳です。

水平尾翼は下配置です。

滑空時に主翼後流に入るため、気流が乱れがちである点、
またエレベーターアップの舵角がとりにくい(パイプにあたる)という点が欠点ですが
ランチにおいては上配置と比べて有効な要素がいくつかありますので
こちらを採用しています。

ウラジミールの(Carboline)カーボラインは軽量高強度で非常に優れた材料です。

尚、今回使用したCarboline SC26は非常に軽い反面、ハンドキャッチなどの際に主翼に打痕(へこみ)
ができ易いことを付け加えておきます。

 

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