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家具に扉を付ける時必要になるのが「丁番」
家具には欠かせない存在である「スライド丁番」について解説します。
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■家具用丁番のあれこれ |
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<スライド丁番>
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<アングル丁番>
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<名称不明です>
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スライド丁番は扉が開くとき、回転軸が移動します。また、丁番が外からは見えませんのでデザイン(納まり)がすっきりします。
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アングル丁番は矢印の部分を回転軸として扉が回転します。「アウトセット」の扉用の丁番としてはスライド丁番同様にポピュラーです。 |
矢印の部分を回転軸として扉が回転します。機構がシンプルですが、扉の尻が大きな軌跡を描くので使いようによっては隣の扉に干渉することがあります。
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■スライド丁番 |
住宅内のあちこちで使用されているスライド丁番
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キッチン
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洗面化粧台
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タンス
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スライド丁番の特徴をもう一度整理すると
1)丁番が外からは見えないので外観がすっきり
2)回転軸が移動するのでオープニングクリアランスが小さい
3)取り付け後に前後左右上下に微調整ができる
4) ワンタッチで取り付けられる
ということで、普及しています。
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スライド丁番は
写真左の座金(ベース):BOXの側板に取付ける。
写真右の本体 :扉に取り付ける。
で構成されます。
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スライド丁番の動きを家具の内部から撮影てみました。
左の画像もしくはこちらをクリックしてください。
wmv 0'20" 0.65MB
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■スライド丁番の分類 |
●大きさによる分類 |
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スライド丁番を取り付ける為に、丸い穴をあけます。この穴をカップといいます。カップの大きさで区分します。
カップ径には26ミリ/ 35ミリ/ 40ミリ の3タイプがありますが通常は35ミリのものが使用されます。
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●開き角度よる分類 |
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スライド丁番の開き角度は小さいもので90度大きいもので180度までありますが一般的には100度〜110度のものが良く使われます。
ランプ ワンタッチスライド丁番220シリーズは105度です。
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●ワンタッチ機能 |
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BOXに扉を取付ける際、座金(ベース)に「パチン」と嵌めて取り付けます。ドライバーは要りません。
取り外すときもロックレバー(黒い部分)をつまむと、ワンタッチで取り外せます。
↓↓丁番取付けの際、「パチン」と嵌め込む様子
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●キャッチ機能 |
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スライド丁番の中にバネが入っていて、扉の開き角度がある角度になると自動的に閉まるのが「キャッチ付き」(左写真)、バネがないのが「キャッチなし」(右写真)です。
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●カブセによる分類 |
<アウトセット>
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<インセット>
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全カブセ
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半カブセ
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「インセット」は、側板の内側に扉が納まるタイプ。側板が正面から見えます。
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「全カブセ」は、側板に対して扉が全部かぶっている状態で使うことに由来。実際には、側板の厚みも様々なので取付け基準面からの寸法(A寸法)が18ミリのものを全カブセと呼びます。ランプ ワンタッチスライド丁番220シリーズは19ミリです。 |
「半カブセ」は、側板に対して扉が半分かぶっている状態で使うことに由来。半カブセには取付け基準面からの寸法(A寸法)が9ミリのタイプが一般的ですが、14ミリのタイプもあります。ランプ ワンタッチスライド丁番220シリーズは9ミリです。
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●開き角度よる分類 |
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スライド丁番の開き角度は小さいもので90度大きいもので180度までありますが一般的には100度〜110度のものが良く使われます。
ランプ ワンタッチスライド丁番220シリーズは105度です。
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●丁番の枚数 |
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丁番の取付け枚数は扉の高さによって決めます。
〜900ミリ 丁番2個
900〜1600ミリ 丁番3個
1600〜2000ミリ 丁番3個
私の場合、タンスの扉高さは1200ミリですが丁番3個使いました。個数を多くすることは、扉の反りを矯正するのにも有効です。
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■スライド丁番使用上の注意 |
カップの端空き寸法
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カップの端空き寸法はメーカーによって若干異なりますが、通常4ミリ〜5ミリが標準です。
扉のカブセ寸法を標準寸法から変えたい場合は、端空き寸法を変更することで調整します。1〜2ミリであれば、丁番の調整機能を用いることにより取付け後にも調整できます。
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オープニング クリアランス
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オープニングクリアランスとは扉を開けるとき、吊元側に描く軌跡の最大値です。
家具を壁に着けて配置する場合など、オープニングクリアランスが適正に確保されていないと、扉が壁に当たって開かなくなります。
オープニングクリアランスは扉の厚みに左右されます。18ミリ厚の扉で約1.5ミリ、21ミリ厚の扉で約3ミリです。
扉の厚みが増すとオープニングクリアランスが大きくなりますが、端部に面取りをすることで小さく押さえることが出来ます。
左下のイラストは左上のイラストに比べて扉の厚みが増していますが、端部に丸面取りを施すことでオープニングクリアランスが小さくなったことを示しています。
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■調整機能 |
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@カブセ量調節
扉が左右に動いてカブセ量が調節できます。
A上下調節
扉を上下に調節します。(緩めて調節して、締める)
B前後調節
扉を前後に調節します。(緩めて調節して、締める)
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