■ 軽量DLG機 Hayabusa(隼) の製作 その1


  
Hayabusa(隼) の製作
(2009.7)
 
■機体のプラン


今回からオリジナルネームをつけることにしました。

命名「はやぶさ」

はやぶさのように流麗な機体を目指して製作しました。

「はやぶさ」では前作のAspirin custom(2009.6)をさらに進歩させることにします。

主翼は前作同様、楕円翼を意識した3ピース(平面型を変更)

また、さらなる有害抵抗低減を狙って、エルロンホーンの内蔵(半内蔵)にチャレンジします。

それからもうひとつのテーマは剛性UP。ハードランチに耐えうるように各部の強度の見直しを行うことにします。
   

■主翼

今回は主翼から着手します。コアを入手済なのであれこれ考える余地もありません。いつものようにO工房さんでカットしてもらいました。

O工房さんはコアカットの注文対応をされています。CNCカットコアを入手されたい方はkamechan900@hera.eonet.ne.jpまで問合せしてください。

翼端側のコア整形が完了したら、表面に残っている削りカスをシャワーで洗い落とします。(直貼りの接着度を上げるためです)

※スタイロフォームの気泡は「独立気泡」なので、水が奥のほうまで染込んでいくことはありません

コアを接合したら、接合部を滑らかにして準備完了

コアの完成重量、片翼で22.3g。

平面型が変わったので、マイラーシートも新しく作り直しですσ(^_^;)

マイラーシートはR/C web shop kbさんより購入の0.25ミリタイプ。

かなりきつい「巻きぐせ」がありますので反対巻きにして、「巻きぐせ」をとります。

上下左右を間違わないようにマジックで大きく記入。

Dボックス構造のカーボンクロスのラインを書き込んでおきます。

カーボンクロスの切り出し。中央側60ミリ、翼端側40ミリ、長さ820ミリ。

アラミドとの境界側は繊維に平行に、ほつれがないように慎重にカットします。

このあと、カーボンクロス全面にスプレーのりを塗った後、放置して乾かしておきます。(77を使っていますが、粘着が強すぎますので、55の方が良いかもしれません)

カーボンクロスをマイラーシートのガイドラインに沿って載せていきます。予めスプレーのリを吹き付けていますので、載せるというよりは、貼りつける感じの作業となります。
貼りつけ終わったら、境界部巾1センチ位の部分にスプレー55を軽く吹き付けます(この際、スプレーが境界部のみにかかるようにまわりに紙を置くなどしておきます)
ヘラなどを用いてカーボンクロス境界部の微妙なホツレを整えます。この段階で、カーボンの境界ラインが美しくできるかどうかが決まりますので丁寧に整えます。
2010.6加筆) マイラーシートにスプレーのりを吹き付けた部分は、のりのせいで光沢が失われますので避けた方が良いです。

樹脂の塗布には塗装ローラー(スモールローラー、毛丈4ミリor5ミリタイプ)を使ってみたところ、樹脂のふくみが均一にでき、とてもグッドでした。値段が高いのが難点です・・・

巾は4インチあるのですが、端から2.5センチほどカッターで切り落としました。

途中の写真はありませんが、片面のバギング完了。

これ、夜9時の室温です(36度)。昼間は40度くらいになっているでしょう。

樹脂の硬化には最適ですが、作業時間が短く、作業をあせってしまいますので夏場のバギングは良いのだか悪いのだか・・

バッグから取り出したあと、前縁部のトリミングを行います。

カッターで余分をそぎ落とした後、ペーパーで境界部の段差をなくします。(コアまで削ってしまわないように細心の注意を払います)

翼端部は巻き込みなしで切り落とし。

主翼接続部に、ハードポイント(かんざし)を取り付けるための仕込みをしておきます。(カーボンシートを差込み。接着剤はあとで削り出す部分には付けないでおきます。さらに直交方向のカットも入れておきます)

前作でうまくいきましたので、今回も採用。

2010.6加筆) カーボンシートの差込みは”過剰”なようです。カッターの切れ目だけでも後工程が楽になります。

今回のテーマのひとつである剛性UPの為にペグ側の翼端に外径1.5ミリ内径0.7ミリのカーボンパイプを埋め込みます。

写真にはありませんが1.4ミリのカーボンロッドをさらにもう1本加えました。

エルロンをクランク方式でコントロールする為に、外径2ミリ内径1.5ミリのアルミパイプを仕込んだ後、バルサで埋めておきます。(現時点でうまくいくかどうか分かりません)

続いて、表面のバギング・・・・

何か足りません。

な、なんとネームの入れ忘れ! というか、プリントし忘れていたのを樹脂を混ぜたあとに気付きました。

作業を止めるか、迷っているうちに作業は進んでしまい、結局いれず終い。

ネームの後入れです(--,)

冒頭に記載しましたように、今回からオリジナルネームをつけることにしました。

命名「はやぶさ」

はやぶさのように流麗な機体を目指したいと思います。

再度バギングします。翼紙にプリンターで印刷し、5052エポキシ樹脂を薄く塗ってセットします。

なんとかリカバリーできました。

段差が出るとまずい・・と思ったので、ネームの切れ目はヒンジラインと合わせることに。

段差は殆どありません。

2010.6加筆) この失敗で、後に全面紙貼り仕様が生まれることになりました。
まさに失敗は成功の母です。

上反角は7度弱。

ネガティブコアにのせたまま翼端に90ミリのかいものをして、机面に対して90度で削ることにより、tanΘ=90ミリの上半角での削り出しができます。

サンディングブロックは棒材に#180のサンドペーパーを貼り付けて製作。

前作の塗装デザインが気に入っているので今回も同じデザイン。

ちなみに、メタリックカラーを使用すると透明感があってGOODです。

マスキングは外すとこんな感じ。

写真では分かりにくいですが、ブルーとグリーンのグラデーション。

エルロンカットは加工しやすいので主翼接合前に行います。

カット定規の裏にビニールテープを貼っておくと、定規が滑らないので加工が楽です。

但し、カットを入れるだけで、エルロンは切離さないでおきます。

(主翼接合時に左右のねじれを確認しやすくする為です。)

主翼重量は約107gとなりました。目標達成・・・と言いたいところですが、カーボン表面の樹脂が不足気味なのが残念。(強度的には前作以上にしっかりしています。前作では軽量化の為にアラミドとカーボンの重なりを少なくしましたが、今回は裏表共アラミドは前縁近くまで入っているのが寄与していると思われます)

今回はエルロンをクランクで動かそうとしているので2-3gの重量増を見込むと110g程度で仕上がると思います。

ハードポイント(かんざし)の穴加工。予め仕込みを入れていますので簡単に穴を掘ることができます。ハードポイントをバルサ材から削り出して準備します。ハードポイントと穴に隙間が出来てしまった場合はカーボン繊維を詰め込んでから接着剤を塗ります。

主翼の接合は、ネガティブコアでベッドを作って行います。上半角は90ミリ。

接合部に30分エポキシ接着剤を塗布→接着剤を塗ったハードポイントを挿入→主翼接合→主翼裏面から左右の翼をセロテープ止めて口が開かないようにする→ベッドに載せる→接合部にスポンジをおいて重しを載せる。

という手順です。接合部の口が開かないように主翼裏面から左右の翼をセロテープ止めするのがポイントです。

2010.6加筆) ベッドはしっかりとした板(集成材など)を使用した方が正確に接合できます。

30分エポキシが硬化してしまう寸前のタイミングを見計らって、目視で左右に捻れがないか確認します。(ベッドで正確に接合したつもりでも微妙にずれることがありますので、最終的には目視で確認します)

その後、ネガティブコアのベッドで置いておくと邪魔になるので壁に貼り付けて養生。

↑Runway Endさんよりお知恵拝借。片翼を壁にぴったり付けて壁からの出っ張りを測ることで上半角もわかります。

Dボックスのカーボン部分の樹脂が不足していたので主翼完成後に和紙貼り(再バギング)の後、塗装仕上げにしました。織り目が完全に消えてツルツルになりました。(カーボン部分のみ)

最終的にWAXもかけましたので手で触ってもフワフワです。

※完成した主翼を再バギング、アラミドとの境目部分の段差消し、塗装、研磨と大変でした A=´、`=)ゞ


Hayabusa の製作その2に続く