■ 軽量DLG機 Hayabusa LT (2号機) の製作 その1


  
Hayabusa LT (2号機) の製作
(2009.10)
 
■機体のプラン


オリジナル機「はやぶさ」2号の製作。

今年(2009年)4機目の機体です。機体の性能はどんどん上がってくるのですが、

どうにもならないのがランチ高度。

ビデオ分析などで、悪い部分は分かっているのですが、いざ機体を持つと思うようなフォームになりません。

そこで、師匠の推薦もあって、ランチフォーム矯正の為の機体を製作しました。

名付けて"Hayabusa LT (launch trainer)"

ウイングスパンを縮めることでランチ負荷を軽くして、ランチフォームを整えるつもりです。

(ウイングスパンを縮めると振り抜きが断然楽になるとの話)

で、単にランチトレーナーというのももったいないので、機体性能をなるべく損なわないようにということで

最近の淀川滑空班のトレンドとなっている「鏡面」仕上げの主翼を新工法で作ってみました。

新工法と言っても、作り方は同じで、素材の構成を変えています。

表面はライトプレーンの主翼貼りに使われている翼紙を使用して鏡面仕上げに。

カラー翼紙を用いることでデザインも一捻り。但し、翼紙を使用することで重量が15〜20g増となりす。

この重量分を捻出する為に、カーボンDボックスを止めて、カーボンキュアシートのスパーで代用します。

この翼紙、結構強度もあるので今回の組合せでも十分な強度が確保できます。
 

■主翼コア

今回も3ピースの楕円翼。

コアは通常の1500スパンのサイズで準備し、中央部を左右各40ミリ

計80ミリ縮めて1420ミリにします。

コア小口の平面出し。サンドペーパーを貼った角材でネガティブコアごと小口を削ります。

主翼接合前にネガティブコアを接合してベッドを作ります。

段差がある場合は、画用紙を貼るなどして、高さ調節をします。

翼端ピースの整形を終えた後、コアを接合します。

接着には3Mプラスチック用接着剤(6225)を使用しています。

(写真左に写っている緑のチューブです)

コアの接合が終わったら、接合部が滑らかになるようにサンディング。

3Mのスポンジペーパー「ファイン」(#240〜#320)を使用しています。

翼型の曲面に沿って削ることができるので重宝しています。

生地状態でコアの重量は23.4g

今回は、Dボックス構造にせず、カーボンキュアシートのスパーを入れます。カーボンキュアシートは巾15ミリ深さ0.15ミリ。

スチール定規でコアを潰すようにしての溝を作り、カーボンキュアシートをエポキシ接着剤で接着します。(仕上がり時に段差ができないように)

カーボンキュアシート接着後重量26.6gとなりました。 1本で1.5gです。

いつもは裏表別に(2回に分けて)バギングしていますが、今回は時間短縮の為、表裏同時にバギングします。

バギング前に必要な仕込みを入れておきます。

ペグ部分のめり込み防止の為に0.15ミリのカーボンキュアシートを割り込ませておきます。

ハードポイントを作る為のカットを入れておきます。

(今回はウイングスパンを縮めますので、バギング後に中央40ミリはカットします)

前縁にカーボンを貼りつける準備。

3M 機材なし極薄両面テープ924(巾20ミリ) を貼付けてカーボンテープを作ります。R/C Webshop kbさんで販売されています。

前縁にカーボンテープ貼付け完了。

(カーボンテープを翼端まで貼ってしまいましたが、翼端の手前で止めるべきでした。翼端のRに沿ってカーボンテープに切れ目を入れて重ね貼りしたところ翼端が厚くなってしまい、バギング後に削るハメとなりました)

さらに前縁にバギング後「削り代」としてマイクログラスを足しましたが、あまり有効ではありませんでした。(樹脂を塗った時点でコアから剥がれてヨレヨレでした)

これでコアの準備完了。重量は29.3g。コア単体と比べると6g増です。

■バギング

続いてアラミドの準備。アラミドは 1.0oz(35g/m2)。

今回は、アラミドなるべくキレイにカットする必要があるので、家内の裁縫箱から、布に印を付けるチョークのよーなクレヨンのよーなのを拝借して使用したところ、うまくラインを入れる事ができました。(”チャコ”と呼ぶそうです)

アラミドの織り目に平行に使うと、織り目が乱れて大変なことになります。織り目に対してバイアス方向にのみ使えます。

5センチピッチでメッシュラインが入ったガイドボードの上に載せてバイアスにカット。

カットしたアラミドクロスは織り目が乱れないように巻き取って保管しておきます。

今回、表面に使う翼紙。江崎模型のPLYSPAN ライトフライト薄手#0615です。

ライトプレーンの主翼貼りに使われているものです。

こちらで通販されています。
http://www.esaki-model.com/html/plyspan.html

バックプレート(マイラーシート)にブルーワックスを塗った後、スプレー55を軽く吹いて、デザインに従って翼紙を配置します。今回は、青、赤、白(仕上がると透明)の3色を使いました。翼紙は貼り付けた後、バックプレート(マイラーシート)沿ってカットします。

2010.6加筆)スプレーのりを用いると光沢がなくなります。

白抜きネーム入れの方法)
白い翼紙にプリンタで青背景で白抜きのネームを印刷をします。この際、青い翼紙の色に近い青色を使用します。印刷したものをネームより一回り大きくカットし、、青い翼紙の上に置いて重ね切りします。重ね切りで切り抜かれた青い翼紙を取り除き、ネーム入りのものを移植します。

バギングの構成は下記のとおりです。
<表面側>
1)バックプレート
2)翼紙(バックプレートに貼付け済)
3)アラミドクロス
4)アラミドクロス(中央部補強用)
5)翼端カーボン(型紙を作って予めカットしておきます)
<コア側>

※2)の状態で樹脂をたっぷり目に塗り、その後アラミドを載せました。
翼紙にうまく樹脂含浸できましたが、アラミドを置く際、 ひっついてしまい、うまく載せられませんでした。

真空ポンプは買わずに、相変わらずフードセーバーを使用して、バギングしています。※バギング中の写真はありません。悪しからず m(*- -*)m

主翼片方をバギングするのに約1時間。両翼で2時間かかりました。

今回は「鏡面化」の為、樹脂はあまり絞り過ぎないようにしました。

樹脂は片翼ずつ2回に分けて練りました。

トリミング後の重量59g。だいたい狙い通りです。

ちなみに前縁にはみ出したアラミドを処理するのに大変でした。

前縁部にはアラミドがはみ出さないように注意する必要があります。

ここで、スパンを縮めます。中央部を40ミリカット。

これでウイングスパンが80ミリ短くなり、面積が1.44dm2小さくなります。主翼面積はおおよそ20dm2位かな。

カットした主翼重量を量ってみると、なんと左右で9gです。これで主翼重量は9g軽くなり、110g位となります。

ネーム部分のアップ。

写真だとかなり色が違って見えますね。実物はもう少しなじんでいます。

カッコイー主翼ができました。

 !(^.^)>(^.^)>\(^_^)/


Hayabusa LT の製作その2