■ Micro SAL機の製作




■機体のプラン

スパン600ミリ マイクロSAL機の製作です。

機体のプランを練る為に、下記サイトの記事を参考にさせて頂きました。

機体設計にあたりまずは主翼平面型と翼型を決める必要があります。
情報を総合すると
・ハイアスペクトの機体は滑空性能は良いが旋回に不利。翼面積を大きく取ると逆の性能。
・ハイアスペクトの機体の方がランチが上がる。
・軽すぎるとランチが上がらない。適度に重くすることでランチは上がるが沈下率が大きくなる。
・上半角は12度程度まで大きくとった方が安定性が良い。ただしランチにには不利。

で・・翼面積は4.5dm2程度とし中庸な大きさに。
前縁ラインは少し後退ぎみにすることで上半角は減らします。
翼型はAG18あたりをイメージしながら、やまめ工房さんの翼型のようにアンダーキャンバーを
大きくとることにしました。

   続いて重量の計画です。

受信機
3g
サーボ
3gx2=6g
バッテリー
4g
メカ合計
13g

パイプ
3.5g
水平垂直尾翼
2g
リンケージ
1.5g
ポッド
2g
胴体合計
9g

主翼
12g

この計画どおりに実現できれば34gで飛行します。
※結果的にこの重量では仕上がりませんでした (ノ_ё)

翼面荷重は7.6g/dm2となります。これまでの情報から翼面荷重は8g/dm2 程度を目安と
考えていますが、 機体抗力など様々な要素が関係しますので
実際に試してみないと一概には言えません。

 

■部品の準備

管理人はJRユーザーなので、純正受信機のRD431or435を使用すると5g程度あります。目標重量は3gなので重量オーバー。

DSM2規格のTD 2.4LP送信機モジュールを購入し、HobbyKing(サードパーティ)のDSM2受信機との組合せも検討しましたが、屋外では信頼性に欠けるとの情報がありましたので見送り。

クラフトるうむ及びRC webshop kbより発売されているFrSky社の送受信機セットを購入することにしました。この送信機モジュール、日本国内での技術基準適合証明を受けています。総務省のHPを調べると
型式/番号:D8T/006UVC0001
年月日:平成23年1月7日
とありました。 今年(2011年)になって適合証明を受けたのですね。送信モジュール+受信機で¥5980はお値打ちだと思います。

軽いサーボを調達しましょう。安物サーボはハズレが多いとの評判ですが、ローコスト仕様を狙ってロビンの2.2gサーボを購入しました。

サーボのカタログ値はコード/コネクターを含まない場合が多いので注意が必要です。ロビンの2.2gサーボは総重量3g未満です。

パイプは4ミリの巻きタイプのストレートパイプを使用。700ミリで4.34gです。500ミリにカットすると3.1gです。

クラフトるうむ及びRC webshop kbより発売されているマイクロSAL機用をパイプより安いですが、在庫が薄いようです。

ちなみにこの”巻き”は離型用のテープの跡なのでカーボン繊維を巻いているのではないそうです。

■主翼の製作


主翼は今のところバルサ無垢材からの削り出しが主流のなのでこの方法で製作しようと思っていましたが
軽量ななバルサが入手できない・・・と思案しているところ

バルサリブ組フルプランク翼はどうかということになり師匠が試されたところ
うまく出来上がりましたのでこの方法で製作することにしました。

主翼のテンプレートを準備します。

表面用プランク材と裏面プランク材です。後縁部は表面用プランク材のみで削り出しますので裏面プランク材は翼弦を2/3程度としました。(この差は大きすぎました。製作後の評価として、表面用プランク材と裏面プランク材の寸法差は10〜20ミリ以内としたほうが良いです。)

プランク材は1.5ミリのバルサを使用。比重は0.11程度ですので特別軽い訳ではありませんが、プランク方式であれば問題ありません。

表用プランク材の後縁部は薄く削り出しますので木目が直交するようにプランク材の目を変えて瞬間接着剤でつなぎ合わせます。

スパー材は4or5ミリのバルサから切り出します。

翼端に向けてテーパーをつけます。写真は左右2本分を切り出している状態の写真です。

主翼中央リブ。強度確保の為に巾は1センチ程度とりました。

中央リブは目標とする翼型から表裏面のプランク厚を差し引いた形にします。

写真では分かりにくいですが、リブのテンプレートを切り出して55のりで側面に貼り付けています。

中央リブ、スパー、前縁材を貼り付けて軽くサンディングしたところ

中央リブ、スパーは低粘度瞬間接着剤でくっつけます。これによりかなりの強度が出ます。

製作を容易にする為に裏面プランク材は平面にします。平らな作業台の上で平面になるように組上げます。

リブを貼り付けます。リブピッチは5センチ。ラフに切り出してあとでサンドペーパーで整形します。

リブ整形後の写真。前縁材、スパーも併せて整形します。

翼端部分ではスパーと前縁材は消滅します。

表面用プランクを貼り付ける準備をします。

裏面プランク材の後縁を机の端に合せてマスキングテープで軽く固定しておきます。これは表面プランクの後縁が自然なカーブ(キャンバー)を描くようにする為です。

スパー、リブに中粘度瞬間接着剤を塗って表面プランクを載せて前縁・後縁以外の部分を固定します。

裏面プランクの後縁部を接着します。

後縁が自然なカーブ(キャンバー)を描くように前縁部にかましものをします。

わかりづらい写真になってしまいましたが、下敷きにしているのはプランク材を切り出した残りの材料。主翼が載っている部分は主翼前縁のカーブと相似形になっています。写真で見えている部分は変なかたちをしていますが意味はありません。

前縁は指でつまみながら瞬間接着剤で固定します。

硬化後に前縁を整形します。

整形後重量13.2g。

予定よりかなり重くなりました。瞬間接着剤の使いすぎが原因です。調子に乗って染み込ませすぎました。

できれば10g程度に収めたいところですが4.5dm2ありますので11〜12gが着地点でしょうか。

主翼中央部を上半角に合せて削ったあと接合します。上半角は少なめに。
たぶん9度位にしたと思います。(適当に決めたので・・)

中粘度瞬間接着剤を塗り、ねじれが出ないよう、ベッドの上で接合します。

角度が決まったら接合部に低粘度瞬間接着剤を流します。この際、接合部にはポリ袋を引いておかないとベッドとくっついてしまいます。

整補強の為に接合部を巾20ミリ程度のマイクログラス+低粘度瞬間接着剤で固めます。

■組立て

手元に適当なバルサ材がなかったので少し重めの1ミリバルサを使用しました。重量は2枚で1.46g。

重量は尾翼面積に比例します。大きさの分だけランチ時の空気抵抗となりますので小さくしたいところですが、小さくしすぎるとコントロールしにくくなります。

補強&ヒンジの役割も兼ねてクラフトるうむ ウェットフィルムを片面のみ貼りました。重量約0.3g増の1.81g

垂直尾翼の取り付け。

高粘度瞬間接着剤で直付けします。

水平尾翼も高粘度瞬間接着剤で直付けします。

ダウン側の舵角を確保する為に台座をつくって4ミリ程度かさ上げしましたが、それでも足らないのでエレベーターを切り欠き。

強度が下がるのであまり大きくは切り欠けません。

主翼の取り付け。

パイプに直付けします。迎え角はゼロにします。

主翼も尾翼と同じように高粘度瞬間接着剤で直付けします。

バルサでサーボベッドを作りましたが、これは余計でした。

サーボベッドにサーボを瞬間で固定。

リンケージはポリイミドチューブとギター弦を使用。ポリイミドチューブは全長に渡って瞬間で接着します。サーボの部分はバルサでスロープを作ります。

 

 

■テスト飛行その1

 こんな状態ではありますが、とりあえずテスト飛行。
だいたいの重心を考えてメカを搭載したつもりでしたが後ろ重心でした。
 それとランチがまったく上がりません。

とりあえずということでポッドなしでテスト飛行に臨みましたが
飛行場では空気抵抗が大きいだろうとの意見からマスキングテープで
簡易ポッド?をつくりました。

 ノーズにバラスト5g搭載。これで何とか飛ぶようになりました。
 最初から聞いていたことではありますが、あまりに軽いとランチは上がりません。
飛行重量は40g近くなりましたので翼面荷重にすると8.8g。

パイプは4ミリの巻きタイプのストレートパイプで全く問題ありませんでした。
(※2011/06/25追記 4ミリのストレートパイプではねじれ剛性が不足しているようです)
ローコストサーボは飛ばすだけなら問題ありませんが
競争(競技)をするのであればNGです。(舵がリニアに効かない)

風が5m/s程度吹いていました。
前情報によるとこの位は苦にならないとのことですが、管理人の機体は
風に押し戻されるような状態でした。

また、旋回して風下に向くと舵が効かなくなるし・・ 性能が芳しくありません ( p_q)

まあ、改良のし甲斐があるということで・・・早速取り掛かります。

 


Part2へ続く・・