■タンス(ブレザータンス) その2


BOX部分の組み立てに続き、いよいよ引出しと扉の製作です。着手から3ヶ月。(と言っても今年(07年)の8月は暑くて工作なかなかすすみません・・)

材料の上に汗がポタポタ落ちてきます。それにしても暑い (゚ー゚;A

■引出し前板の加工

27ミリx185ミリのポンデロッサパインを丸鋸スタンドで引出し前板の巾にに落とします。

このあと、手押しかんなで切断面を仕上げ。手押しかんなで1ミリ程度小さくなりますのでそれを見込んで大きめにカット。

最下段の巾261ミリの引出し前板は、2枚をくっつけて製作。土台となる板を用いて接合部でねじれないようにします。

上記の接合では、段差が出ないように最新の注意を払いましたが、それでも0.3ミリ位の段差が出来てしましました。 この段差はランダムサンダーで簡単にフラットにすることができました。
※実は、以前より欲しかったランダムサンダーをこの機会に購入しました。オービタルサンダーと比べるとパワフルだし、削りカスも舞い上がらないしとても頼りになります。

まずは掘込み引手の加工です。
以前に作った学習机のテンプレートをベースにして作り直しました。5.5ミリの合板に糸鋸で穴をあけ、サンドペーパーで滑らかにします。

トリマーにテンプレートガイドを取り付け、6ミリストレートビットを用いて根気よく削っていきます。

トリマーにテンプレートガイドを付けると上からの集塵ができなくなります。なので時々作業を止めて集塵します。それでも以前と比べると作業効率が飛躍的に向上しました。

掘込み引手の加工が完了しました。

深さは15ミリです。

続いて、モールの削り出しです。まずはテンプレートを作成。テンプレートガイドの逃げ寸法を考慮し、掘り込むラインより2ミリ小さく作成します。テンプレートの厚みは5.5ミリ。
モールは、丸溝ビット(6ミリ)で彫り込みます。
ちなみにこのビットは以前に買っていたものではありますが、今回初めて使用しました。当たり前ですが、ストレートビットと比較すると先が丸い分、抵抗も少なく、スムーズに削ることができます。
彫り始めは、ガイドの板を用いて、狙った位置にルータービットを入れます。

クランプを何回かかわしながら、テンプレートに沿って6ミリの丸溝を彫っていきます。

曲がり角で勢い余ってしまわない様に細心の注意が必要です。

一番下の段の引出しは背が高いのでテンプレートがそのままでは使えません。上下に分けて彫りこみ、最後に上下のラインをつなぎます。
彫りこみが完成しました。
四方にボウズ面取りをします。この加工の為に3分(9R)のビットを購入しました。

引出しの前板らしくなりました。

面取りをするだけで随分イメージが変わるものです。

最後に角の部分を丸めます。木箱をガイドにして、引出し前板を垂直に立てて面取りします。

このあと、サンドペーパーで滑らかに丸めます。

最後に掘込み加工をしました。(全ての引出しの加工をするのに半日かかりました。)

これで引出し前板の完成です。

引出し前板の再加工(更新2007.10.14)

加工完了したつもりの引出し前板ですが、BOXにあてがって見るとエッジのイメージが固い!
そこで左右の丸面取りをもうすこし大きくすることにしました。これにより、扉の左右も同じように丸面取りを大きくする必要があります。加工は内丸かんなで荒削りしたあとでサンドペーパーで滑らかに仕上げます。

最初の加工:奥側では9R(半径9ミリ)ですが15R(半径15ミリ)位:手前まで削りました。

でも、まだしっくりきません。家のタンスを観察すると下図のように緩やかな面取りがあることに気付き、さらに加工しました。

これで立体感が出ました。

すでに完成しているBOXを寝かせてその上に並べてみました。 いい感じです。

■扉の加工

扉は、框組することにしました。

製作過程は写真を取り損ねました。この写真は、加工が全て終わった状態です。

接合はビスケットを使用しますのでビスケットジョイナーで溝加工。

框の中にレイズドパネル(中板)を入れますので幅12ミリの溝加工を施しています。

 

痛恨の加工ミス!!トリマー加工の裏表を間違えてしまいました。

一瞬、目の前が真っ暗になりました。が、気を取り直してリカバリーに着手。

埋め木にする板を丸鋸で切出した後(厚さは僅かに小さめにします)、カッターで巾を揃え、ペーパーで丸くして形を整えます。大きさは間違えて削った溝より僅かに大きめにして木工ボンドをつけて当て板をして面が揃うように叩き込みます。ボンドが固まるのを待って、サンドペーパーで滑らかに仕上げ。

意外とうまく行きました。

框にレイズドパネル(中板)を入れてしまうと、框の内側の面取りができなくなるので仮組の状態でボウズ面取りをしました。

框の内側は写真ように連続したボウズ面取りができました。

丸鋸ガイド治具でレイズドパネルの切出し

レイズドパネルは本田矢田部さんの厚さ15ミリ巾286ミリのポンデロッサパインから切り出しました。普通はこれくらいの巾の薄板は反りが激しいのですが反りは数ミリしかなく品質の良いものでした。

立体感を出す為に端部を巾27ミリ深さ3ミリ削りました。レイズドパネルの端部は厚さ12ミリになっています。

角の部分をペーパーで丸めます。クリアファイルを用いて、底面が削れないように・・

掘込み引手の手掛かり加工。

吊元側の框に丁番のカップ加工を施します。35Φのスライド丁番を取付けますので直径35ミリ深さ11.5ミリの穴をあけます。この加工のためにフォスナービットを購入しました。フォスナービットを用いると、簡単・正確に穴あけすることができました。

※スライド丁番についてはこちらで解説しています。

さて、いよいよ扉の組立てです。組み立て前に#320のサンドペーパーで下地調整。(凹凸が激しいので、組立て後は、うまくサンドペーパーが掛りませんのので先に下地調整します)そしていつものように少しずつ組立て。写真の一番左の縦かまちはまだ接着剤をつけていません。

扉の縦横框の接合部分で捩れないように上下から木材で挟み込んで固定しながら組立てます。

組み立て後、ランダムサンダーの登場。縦框と横框の段差をフラットにします。

細かな点ですが、仕上がり感に大きな差が出ますので念入りに。

最終仕上げ。
上下端に丸面取りを施し、もう一度全体に#320のサンドペーパーをかけて完成です。

完成写真。
手間が掛かった分、きれいに仕上がりました。

 引出しの完成写真

 そして、扉の完成写真
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